理念・政策・メッセージ
2024.12.12
「世代交代を自ら実践」
〜衆議院長野県第2選挙区の引継ぎを決断〜
第50回衆議院総選挙の結果は、私自身の6回の選挙の中で、最も内容が悪い結果となりました。敗因は明確で、それは概ね以下の通り列挙できると思っています。
・自民党に対するパーティー売り上げ還付問題、非公認候補に対する2千万円交付問題に対する国民の批判が渦巻いたこと。
・2区においては野党が立憲民主党、共産党などが野党統一候補を立てたのに対し、我が陣営は維新新人候補が世代交代を訴え保守層の票に食い込んだこと。
・私と相手候補でこれまで6回の選挙を16年間に亘り戦い、有権者の間にマンネリ感が漂い、異なる選択肢を求める見方が存在していたこと。
・私は国会議員としての仕事重視に対し、相手候補はこまめに地元を歩いたこと。
・私の過去の行動ミスに対するマスコミ報道による悪印象(デジタルタトー)を地元有権者が忘れていないこと。
・想定以上の急な選挙により、幅広い支持層に選挙協力を求めるいとまがないまま選挙戦に突入してしまったこと。
今回の選挙で、私自身が国会議員として地元に一定の貢献をしてきたこと、地域の課題解決に向け様々な議員立法などを駆使し存在感を発揮してきたこと、その証拠に選挙区内の全ての市町村長が支持を表明し熱心に応援してくれたことを必死で訴えましたが、それが以上の敗因要因を前に、有権者の皆様の心に響くことはありませんでした。
心理学的な観点での印象を言えば、私は、有権者の皆様の「処罰感情」の受け皿になったという感が強く、有権者の皆様は選挙を通じて処罰行為を行うことで溜飲を下げるということになるのでしょう。そしてそれは、民主主義という制度の中で甘んじて受け入れるべきことであるとも受け止めています。
こうした選挙戦の総括を踏まえ、今後の第2選挙区の体制を考える時、野党が統一候補を引き続き擁立し、維新が世代交代を訴え新人を擁立し続ける選挙構造の中で、私が引き続き頑張る構図は、有権者へのアピールという点で進展がないと考えました。これでは勝てる構図にはなりません。
ここは、自民党自身が大きく世代交代を図り、第2選挙区にやる気と能力と地元に対する愛情のある新人を擁立することが次につなげる第一歩であると考えます。謂わば第2選挙区の事業承継を果たすことが必要だということです。
私は村井仁元代議士が引退した以降のこの選挙区にあって、支援者の皆様のご支援を頂き16年に亘って20地域に自民党支部を立ち上げ、数えるほどしか存在していなかった自民党員を最大時1400名を確保し、ポスター用掲示板をたくさん設置し、各地で後援会を組織し、この政治資源をベースに活動を継続して来ました。本来であれば、こうした政治資源をフル活用して選挙戦を勝ち抜けたはずでしたが、それを上回る阻害要因が、6回の選挙の中で最も厳しい結果を招いたことは残念と言わざるを得ません。
しかし、再起を図らなければならない第2選挙区にあっては、こうした政治資源をフル活用し、更にSNSといった新たなツールも活用し若い世代にアピールする手法も探求し、次の選挙に備えなければなりません。肝心なのは、その作業に挑むべき旗頭に誰になってもらえるかです。私としては、次のような人物像に期待したい思いです。
・新たな自民党の再生に向けて決意を持つ若い世代。
・この地域の保守の系譜に理解があり、地域の課題を理解し、解決する手法に造詣の深い人物。
・自民党と連携する市町村長、市町村議会議員、経済人と連携できる人物。
・広大な選挙区を隈なく周り、幅広く有権者の皆様を訪ね、その声を聴くことを厭わない人物。
・できれば私の政治信条、理念である「山・里・人を元気に」、「若者を地方にとり戻す」という政策を継承してくれる人物。
もとより、私自身は、どのような形であれ、私の後継支部長に対しては、全面的な支援を惜しみません。私が長年の役人時代、政治家生活を経て形成してきた厚い人的ネットワーク、政策実現のノウハウを惜しみなく提供する覚悟です。私自身の政治活動を停止するわけではないことははっきりと申し上げたいと思います。
今回の選挙の結果は、長野県第2選挙区にとっては、衆参共に自民党国会議員が不在という歴史上初めての事態を引き起こす結果をもたらしました。これは、全国的にはわが選挙区のほかは、長野1区、岩手1区、3区以外には存在しない歴史上初めての事態となっています。少数与党とはいえ、自民党が与党である中で、政府与党への政治的ルートが途絶した状態は想像を絶する異常事態である。地域が抱える様々な課題の解決そのものや解決のスピードが滞ることが懸念されます。
そうした異常な事態は速やかに解消されなければなりません。早ければ来年の衆参同日選挙も念頭に置かなければなりません。そのためには、この時点で私が出処進退を明確にすることで、第2選挙区の新支部長選任の手続きに早急に移行することが何としても必要であると考えます。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」との心境で、自ら世代交代を実践する決断をしました。