長野2区
選挙区の状況
長野二区は「日本の屋根」北アルプスの主要部分を擁し、その雄大な自然の美しさを誇る日本の背骨に位置する選挙区である。その面積は鳥取県のそれとほぼ等しい広さであり、更に小さな都府県が6つある。
長野二区は、もともと中選挙区制の時代、長野県内は四つの選挙区に分かれ、そのうちのいわゆる中信と呼ばれる部分が長野四区として現在の二区に相当する地域の大部分を占めていた。しかし小選挙区制への移行に当たり、県内四つの選挙区を五つに再編成することとなり、塩尻市と木曽郡が離れて別選挙区となる一方で、北信地域の旧長野一区から、現在は市町村合併で長野市となった町村も含めて、上水内郡の全町村と更級郡の旧大岡村が含まれることとなり、新しく長野二区という小選挙区が生まれて現在に至っている。その結果、現在の長野二区は、松本市、安曇野市、大町市、長野市(旧更級郡大岡村、上水内郡豊野町・信州新町・中条村・戸隠村・鬼無里村域)、東筑摩郡、北安曇郡、上水内郡の区域ということになる。
さて、この二区内には、国宝松本城を中心とし、西は北アルプスの象徴槍ヶ岳、穂高連峰、東は日本百名山のひとつ美ヶ原まで、「岳都・学都・楽都」として名高い松本市が二十万を超える人口を抱える特例市として位置する。アルプスと田園風景のコントラストが眩しい安曇野市は、長野県で最も新しい十九番目の市として誕生したが、県内で工業製造品出荷額が最も多いという精密機械工業が好調な地域でもある。その北の大町市、北安曇郡はともに大北地域を形成し、夏は山岳観光の拠点として、冬はウィンタースポーツのメッカとして、国内外から数多の観光客を迎えている。松本の近隣となる東筑摩郡は豊かな農産物の産地としてだけでなく、ベッドタウンとして成長するとともに、自然の中での暮らしに憧れる都会からの人々を温かく迎え入れている。そして小選挙区制になって以降二区に包含された上水内郡と旧大岡村は、市町村合併によって長野市となった地域も含め小選挙区では従来通り長野二区であり続け、長野市の西山、北山地域として歴史と伝統に彩られた自然豊かな地域として存在感を示している。
以上少々乱暴に概観した長野二区を構成する各地域だが、豊かな自然と水、景観に恵まれたこの地域は、都会の人が移り住みたい地域として第一に挙げる地域としても有名である。その地域ブランドの高さを守り育て、その内在する可能性を更に高める地域戦略を構築していくことが、この地域にとっての大きな課題であると考えている。