むたい俊介メールマガジン第325号 2022.07.24
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「故安倍元総理に肩を押されて」
〜国連海洋会議に政府代表として出席〜
6月末にポルトガルの首都リスボンで開催の国連海洋会議に、環境副大臣として参加する機会に恵まれました。羽田を発ち、北極、グリーンランド周りでドイツのフランクフルトでトランジットを経てリスボンに到着しました。到着後、国連海洋会議に備えて牛尾滋ポルトガル大使との打ち合わせの合間に、美しいリスボンの旧市街地を歩き、夕方は、リスボンを見下ろすモンサント自然公園を散策しました。木がなかった丘に80年前に植樹し、1000haの立派な森林公園に成長した公園の成立の経緯に、私が普段歩いている明治神宮と同じ都市緑化の発想を感じ、感動を覚えました。
国連海洋会議では、グテーレス国連事務総長の発言を聞いた後、韓国、ソロモン諸島、ベトナム、タイ、フィリピン、ウクライナ、スリランカ、インドネシア、オーストラリア、国連防災機関、UNEPの代表と精力的に意見交換し、「海洋環境におけるプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書」の作成に向け、新たに設置する「政府間交渉委員会(INC)」の議長に日本政府関係者を推薦する根回しを精力的に行いました。
同じくこの会議に出席の旧知の水鳥真美国連防災機関代表と昼食を挟んで意見交換の後、海洋ゴミのセッションで日本政府代表として発言を行いました。
3分程度の英語による発言でしたが、大阪ブルーオーシャンビジョンのとりまとめ以降日本がプラスチック削減に向けて果たしてきた役割を紹介しつつ、今後のINCにおける交渉過程において、プラスチックのライフスタイル全体に関する条約の策定にあたっては、プラスチックの大量消費国は排出国を含む多くの国が参加することの重要性を強調し、各国の事情や責任の在り方についてバランスの取れた議論が求められ、その前提となる科学的な知見の収集の枠組みの重要性を指摘しました。発言の中では、日本政府がINC議長に推している小野洋環境省地球環境審議官のこの分野の豊富な知識経験の紹介もしっかりと行いました。
なお、2019年にまとめられた大阪ブルーオーシャンビジョンは、当時の安倍晋三総理がG20大阪サミットの議長の立場で主導し、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指すこととしたもので、2022年3月にはケニアで行われた国連環境計画総会で上記のINC設置が決議され、今回はそのINCを具体的に設置し、この問題で世界をリードする日本としての貢献を具体化していく会合としての位置づけがあるものです。国連海洋会議に出席にあたり、安倍元総理から直接に、大阪ブルーオーシャンビジョンとりまとめの経緯を伺った上でリスボンに向かいました。会合の10日後に、安倍元総理が参議院選挙の応援演説で凶弾に倒れたことは、プラスチック汚染担当の環境副大臣の立場でも、大きな衝撃です。安倍元総理の遺志を継ぐためにも海洋環境におけるプラスチック汚染に対して、我が国は世界をリードする取り組みを進めなければならないと心に誓いました。
政府の代表としては、初めての国際会議出席でしたが、一定の役割を果たせたものの安堵しています。今後とも機会があれば積極的に対応して参りたいと考えています。
自民党長野県第二選挙区支部長
衆議院議員 務台俊介
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