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むたい俊介メールマガジン第314号 2021.08.06

地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える

〜むたい俊介メールマガジン〜

「「祈りの都市」広島に相応しい核廃絶努力」


 今年も広島に原爆が落とされた8月6日が巡ってきました。76年前の出来事になりますが、毎年毎年この日が来る度に、あの時の惨状、原爆で命を失くされた皆様の無念、後遺症でご苦労された皆様の苦悩を思い出さずにはおられません。私は昭和55年に旧自治省に採用になった際に、被爆地の広島県庁赴任を強く希望し、その願いがかなえられました。41年前のことです。


 原爆の悲惨な状況は様々なメディアによって知識としては持っていましたが、広島に実際に住むことでその実相に少しでも触れてみたいとの思いによるものでした。赴任当時、被爆後35年を経た広島市は殆ど被爆の面影は失せていましたが、それでも路地裏の様子、県庁の同僚の話などからその影響は色濃く残っていることを実感しました。広島県庁の同僚の相当数は、被爆の後、県外から移り住んで復興に協力してきたという方もおられました。


 今では、広島市は更に発展し、米国大統領も訪問する世界都市に発展しました。そして、ある意味で広島市は「祈りの都市」として世界都市になっているのかもしれないと最近は思っています。私が何度も訪れた平和公園には、「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませんから」との原爆死没者慰霊碑の碑文が刻まれています。


 私が最初にこの碑文に接した際に、少なからず違和感を覚えた記憶があります。原爆を投下したのは米国トルーマン大統領であり、そこには人間の意思が働いていました。日本、特に被爆者は原爆に関しては被害者であり、その被害者の側が、「過ちは繰り返さない」と詫びるのは原爆投下責任のある米国の罪を許すことになりはしないか、との率直な思いでした。


 今でもその思いに変わりはありません。米国には、しっかりと原爆投下の罪を認めて欲しいと考えています。特に、1945年8月の段階では、日本の敗戦は決定的で、戦術的に原爆投下の意味はなかったというのが通説です。一方で、戦後のパワーポリティクスを考えた場合に、原爆を実際に使用し、ソ連に対してその恐ろしさを目の当たりにさせ、米国主導の国際秩序形成の主導権を取るという米国政府の戦略的意図はあったのでしょう。


 そのような中で、無防備で罪のない一般市民の頭上に無慈悲にも原爆投下を行った米国政府の判断は人道上許しがたい蛮行です。それを日本が詫びる形をとるのは、これは理屈を超越した宗教的境地と言わざるを得ません。そういう意味で、広島は「祈りの世界都市」に昇華して行っているのかもしれません。


 その意味では、日本こそが核廃絶運動の最前線に立つ資格があると思っています。実際に米国の核の傘に守られている現状がある中で、理想論は言えないとの理屈はあるかもしれませんが、祈りの境地に立って思考を巡らせば、自ずと真っ当な方向性が出てくるものです。


 中国が核、核ミサイル配備を急速に増強している中、米国の核抑止力を高めなくてはならないという安全保障上の均衡理論はあるのでしょうが、その中にあっても、世界の国民の福利向上、核兵器保有のコストとリスクを考えると核軍縮、核廃絶を強力に推し進めることの意義は死活的に大きいと考えます。習近平主席、プーチン大統領そしてバイデン大統領が、広島に集い核廃絶、核軍縮の話し合いが行える日の到来を願っていますし、日本がそれを主導するべきだと確信します。


自民党長野県第二選挙区支部長
衆議院議員 務台俊介


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