むたい俊介メールマガジン第229号 2015.08.31
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「スリランカで「子供の森」支援活動を視察」
〜高評価の日本の国際支援〜
8月23日から26日までスリランカを訪問した。成田空港からバンコク経由でコロンボ行きの飛行機に乗り継ぎ、片道12時間かけての訪問であった。草の根途上国支援の団体であるオイスカを支援する議員連盟のメンバーとして、オイスカがスリランカで取り組む「子供の森」(子供たちによる植林活動)を激励するための出張であった。
コロンボ市到着の翌朝、コロンボ港に立ち寄り、中国が建設し中国が港を所有することとなる新港湾を遠望した。中国所有の新港に対する批判が高まり規模が大幅に縮小されたとの話を伺う。海岸近くの軍の病院跡地も99年に亘る中国資本の所有が認められ、巨大な中国資本のホテルが建設中とのこと。こうした中国優遇の対応を行った批判もあり、選挙の結果、大統領の交代が行われたとの話も伺った。空港からコロンボ市に通じる高速道路も中国により建設されたものの、建設労働者として囚人を含む大勢の中国人を連れてきて工事に従事させたため、スリランカへの経済波及効果、技術移転が殆どなされないとの批判も耳にした。
それに比較し、日本の経済支援は、スリランカへの技術移転、人的支援に重きを置き、被援助国の立場に立ったもので、たいへん高い評価を受けていることに改めて驚いた次第である。コロンボ市からキャンディー市に向かい、ペラヘラ祭りを控え混雑している世界遺産である仏歯寺を遥拝した後、訪問の目的地であるクルネーガラ県所在のアンバーガスウェーバ小学校に到着し、オイスカが支援する学校植林活動の現状を視察した。この日は学校が休みであるにも拘らず生徒、先生、親御さんたちから休日返上で学校あげての大歓迎を受けた。岩でできた小高い丘の上にあったアンバーガスウェーバ小学校は、地盤が岩であり植林に適していなかったが、父兄の皆様が近くの湿地帯を掘り下げ、その土を小学校が立つ地盤の周りに盛り、そこにパパイヤ、バナナなど実のなる木を中心に植林を行った結果、学校が見た目にも実質的にも豊かになってきたというものである。
スリランカ全土で317の学校が「子供の森」プロジェクトに参加し、50万本以上の苗木が植えられ、425ha以上が緑化されているという説明を受けた。このプロジェクトを現地で実施しているのはスリランカ国内、日本のオイスカ研修センターで農業研修を修了した研修生のOBたちであり、スリランカで植林、環境セミナー、農業資材支援、清掃活動、文化交流などの幅広い活動を行っている話も伺った。私も記念にこの小学校で植林をさせていただいた。
日本人はスリランカに対して恩義がある。1951年9月、サンフランシスコ対日講和会議にセイロン代表として出席したジャワヤルダナ大蔵大臣(当時)は、仏陀の言葉(「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む」)を引用して、対日賠償請求権を放棄したうえで、日本は真に自由で独立した国でなければならないとして、ソ連による日本主権制約修正案に反対し、参加国に寛容の精神を求め、アジア随一の外交官との国際的賛辞を勝ち得た経緯がある。戦後の日本による巨額のスリランカ経済支援は、そうした恩義に対する感謝の気持ちが込められていたに違いない。
スリランカ訪問中に、オイスカ支援者のご母堂様の弔問しお線香をあげさせて頂き、スリランカ産ハーブのお茶、歯磨き粉を生産している事業所を訪問する機会にも恵まれた。また、コロンボ郊外に所在する政府機関である教育省、児童女性問題省、海外雇用省に事務方の最高責任者を順次訪問させて頂いた。政府機関においては、私からオイスカ活動への支援をお願いしつつ、日本に対する期待感の大きさを再認識した。
在スリランカ日本大使の菅沼健一氏からは、日本の平和安全法制整備に対し、スリランカ政府は全面支持の立場である話も伺った。日本の国内におけるメディアによる政府批判と、諸外国から見た日本政府への評価の高さの大きな乖離に、目が眩む思いを懐くスリランカ出張であった。我々は常に自分自身の立場を国際的視点で見る観点を忘れてはならないことを確信した。
自民党長野県第二選挙区支部長
前衆議院議員 務台 俊介
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