自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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むたい俊介メールマガジン第165号 2012.05.17

地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える

〜むたい俊介メールマガジン〜

「「我」と危機管理」
〜非常時に省庁間の縦割りを排除するシステムの必要性〜


 実践倫理宏正会の上廣榮治氏が、人間の「我」という問題について語っておられる。人間は「どんな場合でも自然体であるべきだ」とし、「自分とは何かではなく、今の自分はどういう状況にあるのか、どんな立場にあるのかだけを直視して、最も適切な対応を取ればよい」、とその書物(実践倫理講座)で述べておられる。


 その事例として、部屋が汚れている例を取り、「気が付いたら掃除をするだけのこと、誰が汚したのか、誰が掃除をすべきなのかなどを考えることは無駄なこと」、と断じておられる。「腹を立てたり、人に命じている暇があったら、体を動かして、直面する問題を解決した方が、よほど気持ちがよい。どんな問題に対しても、その状況に最もふさわしい自分の一面で、精一杯に対処すればよい」とも述べられておられる。


 倫理運動の主唱者の言葉であり、心に染み入る人の気持ちの在り様を述べておられるが、私はこの言葉に接して、危機管理の原則にも相通じる言葉であるとの思いを得た。


 福島原発の事故の折、原子炉に対し、一秒一刻を争う海水冷却が求められていた際の災害対応機関の対応にその問題点が表れていたように思える。


 原発事故の一義的責任は東京電力にあった。それを所管する原子力保安院が政府の中では第一義の責任者である。海水冷却を行う判断をし、それを実施するに当たり、当時の政府は、「責任の重さ」の順で誰がどの順番で作業を行うべきかを決めた。


 結果として、その後の海水投入の順番は、「自衛隊のヘリコプターによる散水」→「警察、自衛隊の消防車による放水」→「消防機関が有するスーパー・ポンパーを活用した連続大量放水」という順番になった。実はこれは「責任の重さ」の順であるとともに、「効果の薄い」順番でもあった。一秒一刻が争われる中で、責任の重さの順でものごとを判断してしまった。


 仮に、上廣氏のおっしゃる倫理的観点に立ち、「役所の責任の順番ではなく、今の原発の状況がどのようなもので、自分たちの能力がどのような位置にあるのかだけを直視して、最も適切な対応を取るべきか」、という観点で判断が行われていたら、海水投入の順番は「効果の高い」順番になったことは疑いのないことであると考えられる。


 政府内の調整が未熟で、十分な情報共有がないままに、本来無為に過ごしてはならない貴重な時間が浪費されてしまった。福島第一原発のその後の惨劇は、初動判断と対応のミスによるところも大きい。


 我々は、この失敗を、「良い失敗」(二度と同じ過ちを繰り返さない失敗)とするためにも、上廣氏の個人の倫理行動原理を危機管理の原理としても受け入れる判断をしなければならない。


 実は、その原理をシステムとして組み込んだ事例がある。インシデント・コマンド・システム(ICS)と呼ばれる米国の緊急事態管理のためのアプローチである。緊急事態に際して、施設、設備、人員、手順および通信の統合を可能にし、様々な機関間で協調した対応を可能にし、災害資源利用を計画、管理するための共通の手順を確立する内容が含まれている(注)。


 ICSは、起きた事態に対し最も効果的に対応できる対応を予め想定し、縦割りを排除し、現場に最大限の権限と責任を付与するシステムである。日本には未だ、このシステムは導入されていない。個々の災害対応機関の機能や行動は立派でも、それが全体として統合され、調整されない我が国の危機管理の現状は、まだまだ改善の余地が大きいと言わざるを得ない。


(注)米国ICSの英文の説明サイト
http://www.fema.gov/emergency/nims/IncidentCommandSystem.shtmより。


自由民主党長野県第2選挙区支部長
務台 俊介


[活動報告より]□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

5月13日 安曇野市豊科公民館で、麻生太郎元総理大臣の講演会を開催。
https://www.mutai-shunsuke.jp/activity/1205.html#120513

[お知らせ]□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

★麻生太郎元総理講演会を 安曇野で開催しました。

5月13日に安曇野市豊科に麻生太郎元総理をお迎えし、講演会を開催しました。800名近くの皆様にお集まりいただき、大盛況でした。麻生先生からは、安曇節のご披露に始まり、今後の政局の見通しと経済施策のあり方について講演いただき大変盛り上がりました。ご参加いただいた方々に心から感謝申し上げます。


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 東日本大震災の教訓を踏まえ、今後の国土構造のありかた地域を元気にするための取り組みなど、さまざまな「ヒント」となる提言をまとめたものです。
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