むたい俊介メールマガジン第97号 2011.01.05
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「政権交代で明らかになった政治と経済の一体性」
年末に地元企業の経営者の方と懇談していて、心の琴線に触れた言葉があった。それは、「私はこの1年で思い知ったことがありました。これまで私は自分の事業のことだけを考えていればいいと思っていました。しかし、政治がここまで混乱してそれが国の実体経済の在り方にまで影響するのを見るにつけ、経済人として政治の在り方に無関心でいてはいけないと思えるようになりました。まっとうな政治の実現に向けて私もできるだけ力になるようにしますので頑張ってください」という言葉であった。
確かに、経済と政治の関係について、特に最近そのように感じている経済界の人が多くなっていることをひしひしと感じる。従来、経済界の皆さんは、どちらかというと政治とは距離を置いておくことが安全だと思ってきた節があるのではないか。企業のコンプライアンスということを表看板に、政治との距離感を測っているという印象を受けてきた。
政治が機能しなくても経済が順調であり、それで済んでいるときは良い。しかし、経済界が政治は政党・政治家に任せる、と割り切っている間に、政治機能の劣化が進み、国の意思決定のメカニズムが狂ってくると何が起きるのか。その恐ろしさを経済界がついに感じ始めているということではないか。
現在の日本の不景気は、「政治不況」とも言われている。日本の持つ個々の素材・資源は良いものがありながら、それをシステム化・オルガナイズし、世界に大きくアピールしていく術がないように思われる。政治の機能不全が進む中で、日本の技術がほかの国のオルガナイズした仕組みの中で、単なるパーツとして使われ、安く買いたたかれているように思えて仕方がない。
安全保障や産業政策、社会保障政策に関し、国家に戦略性がないと、そのようなことになるように思えて仕方がない。現在は、新たな重商主義の時代に入ったとも指摘される。自国の技術資源を政府と民間が一体として他国に売り込むことが目立つ昨今である。
他の国がそのようにするのであれば。わが国もそのような動きに呼応しなければならない。更に、国は中長期的経済戦略を打ち立て、的確にそれを実行できる仕組みを持たなければならない。企業は政府の中長期ビジョンとその実行可能性を参考に設備投資の可否を決める。今の政権は、近視眼的視野の範囲で大衆迎合的なばら撒きだけが目立っている。
早期に、まっとうな政策を立案・実行できる責任感ある政府を樹立しなくてはならない。幸か不幸か、万年野党の民主党が短いながらも与党経験を踏み、長年与党にあった自民党が今は野党である。漸く、二大政党の両方が政権運営の重みを体験できる立場に立った。
一昨年の政権交代は、結果的に偽りのマニフェストによる政権奪取という結果となっている。前回の総選挙の際に、当時の党首は、自らのマニフェストを国民との契約と断言した。その意味で、現時点で国民に対し明らかな契約違反を犯している現政権は最早政権維持の正統性が失われていると言っても過言ではない。
現政権が民主主義のルールに誠実であるのなら、実現性を吟味したマニフェストを再度作り直し、その上で解散総選挙を挙行すべきである。支持率が1%になっても政権運営を行うという現政権は、謂わば居直り詐欺師の様なものである。
自由民主党長野県第2選挙区支部長
務台 俊介
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