自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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むたい俊介メールマガジン第71号 2010.07.11

地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える

〜むたい俊介メールマガジン〜

「「合併」による保守基盤の弱体化とその再生」


 最近、自民党員の新規募集を行うとともに、党員継続更新のお願いに選挙区内を歩いている。自民党員にどのような方々が就任していただいているのか、一軒一軒お伺いしてお話を伺う趣旨もある。兎に角、野党に転落した自民党に年間4,000円の会費を払って党員になっていただいている皆様は、大変貴重な存在であると感謝申し上げなくてはならない。


 一軒一軒歩いて話を伺っていると、様々な経緯で党員になって頂いている事情が分かってくる。昔から一家で自民党支援者という家も勿論ある。職域で組織として加入しているご家庭もある。親しい人から誘われて党員になった人、必ずしも自民党支持ではないが国会議員候補者への支援のつもりで党員になっていただいている人、など様々なパターンがある。


 逆に、昔は党員であったが離党した理由も判明する。自民党出身の衆議院議員が引退した時点で党員を辞めた人が結構いることを伺う機会も多い。


 自民党員になるきっかけのパターンの一つに、農山村部では町村会議員就任時に自民党員になるという申し合わせがある町村もある。地区毎に町村議員を引き継ぐ際に自民党員の資格も引き継ぐというものである。


 最近伺った東筑摩郡内のある村では、これまでは村会議員の殆どが自民党員になるという申し合わせがあったとのことである。私は、村議を引退された皆様にも党員継続のお願い上がったところ、継続を快くお受けいただいた方と、村議辞任とともに党員継続は差し控えたいとの意向をお示しになる方が相半ばであった。


 さて、平成の大合併で平成11年3月時点で3,232の市町村が平成22年3月時点で1,727に減少した。それに併せて市町村議員数も大幅に減少し、平成11年時点で全国で60,113人の議員定数が平成20年時点で35,631人へと4割以上も減少している。


 市町村議員の減少が自民党の組織、活動にどのような影響を及ぼしているのかということについては、例えば平成の市町村合併と自民党の得票率の低下の相関関係について一部の政治学者が研究対象としているものの、実証的な検証が十分にはなされているとは言えない。しかし、市町村議員には無所属が多いとは言えその過半が保守系であることを考えれば、市町村議員が大幅に減じ地域での保守的政治活動を最前線で行うエンジン役が少なくなることは自民党にとって非常に厳しい事態であることは否めない。


 平成の大合併は、当時の与党であった自民党の「市町村合併後の自治体数1,000を目標とする」という方針のもとに進められてきた。当時から強力な合併推進により、地域における保守基盤が脆弱になることを懸念する声はあった。しかしその声を乗り越えて合併は進められ、よもやと思われた1,700台にまでに市町村数は減少した。


 総務省は、平成の大合併を受けてこの4月から「合併推進課」を廃止し、「市町村体制整備課」に衣替えをしている。これからは合併のペースはそうは上がらないものと思われるが、市町村の現場の保守基盤が弱体化した現状は早々に回復することにはなりにくい。おまけに最近は、職域単位での自民党党員が激減している現状も並行して進んでいる。このような現状で、自民党員に代表される保守基盤を如何に掘り起こしていくのか、試行錯誤の毎日である。


 日本政治思想史が専門の北海道大学の中島武志准教授は、保守主義について、「保守は人間の理性に全面的に依拠するよりも、長年の歴史の中で蓄積されてきた社会的経験知や良識、伝統といった『人智を超えたもの』を重視する。歴史の風雪に耐え、多くの人の経験が凝縮された社会秩序に含まれる潜在的英知を大切にしようとする」立場であり、「極端な変革ではなく、人々が信頼しあいながら安定的に生きることのできる環境を整えていく。そんな穏健な立場こそが、保守の真髄である」と秀逸な解説をしている。


 私も、現場を歩む中で、政治過程に参画するという人間の営みを通じながら、地域を大事にする保守の真髄を探索しているような気持ちになってくるのが不思議であり嬉しくもある。


自由民主党長野県第2選挙区支部長
務台 俊介


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