むたい俊介メールマガジン第52号 2010.01.12
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「「まちづくりと公共交通」に関する若手の勉強会」
正月明け、「まちづくりと公共交通」を題材に松本市関係者との勉強会に招かれた。私が欧州の公共交通整備の理念と具体例について基調報告し、松本市関係者からは交通政策や地域政策について市の抱える課題などについて発表を頂いた。出席者が特定のテーマについて、相互に他地域の実践例やそれぞれの地域の取り組みなどを述べ合い情報交換を行うことにより、政策形成に関する選択肢が広がる思いがした。
会合では、先ず、松本市の公共交通の現状について、1.路線バス、2.コミュニティバス、3.高速バス、4.貸切バス、5.軌道鉄道、6.空港、7.リニア新幹線と中央線、8.自転車道などについて現状と課題を話し合った。採算の取りにくい公共交通を民間事業者任せにしておいてよいものかどうかという基本認識で一致した。
欧州の公共交通の現状について、1.英国の混雑税(規制と誘導)、2.LRT、3.地方鉄道の復活に向けての動き、4.自転車利用の実態、5.公共歩道(パブリック・フットパス)、6.都市の歴史をそれとなく知らせるブルー・プラーク、7.都市景観づくりを形成するコミュニティの意思、8.環境重視の公共政策動向などについて私が報告を行った。英国をはじめとした欧州の地方行政が大きく環境重視に向けて政策の舵を切っている実態が日本では意外に知られていないことを参加者が共有した。
公共交通は地域全体の在り方から考えるべきとの観点から、1.路面電車があった頃の松本、2.都市づくりのコンセプトの存否、3.「まちのコンテンツ」を結ぶ公共交通の思想といった論点についても話し合った。路面電車は当時松本に旧制高校を誘致した際に作ったものであり、当時は公共交通がまちづくりとセットで考えられていた。今日では、例えば松本駅と松本城を結ぶ中間地区に地場産品のマーケットなどがあってもよい。それを歩いたり、公共交通で結ぶ発想が求められているのではないか、といった議論が行われた。
では、これから何を為すべきか、といった点について、以下のような私なりの提言を行い、参加者で議論を行った。
【1】バスの利便性を圧倒的に増すためのバス専用レーンの設置
【2】バスの本数を増やしバス料金を大幅に軽減
【3】乗って楽しいバスの導入(二階建てバスなど)
【4】鉄道の料金も大幅に引き下げ本数を増やす
【5】LRTの環状敷設ということも検討してはどうか
【6】これらの財源には、道路特定財源を活用
【7】バス路線や鉄道沿線に住み松本市内に通う人たちには、公共交通に乗り換える政策誘導
【8】政策誘導には、マイカーで通う人に相対的に負担が大きく、公共交通機関を利用する人には大幅に負担が軽減される手段を活用
【9】鉄道沿線の住民の皆さまに鉄道に対する小口出資を仰ぐ。それにより「MY RAIL」意識を涵養する。
【10】欧州の施策例に学ぶ。(都心へのマイカーの乗り入れ制限、英国のような混雑税の導入、徒歩や自転車利用の促進)
【11】「環境マイレージ」(一人ひとりが公共交通機関をどの程度活用しているかを測定する制度)といったアイデアの導入
【12】車の乗り合わせ奨励
参加者からは、郊外の団地から松本城に行くのに、「行きはバス、帰りは徒歩」といった運動を行っている実例、バスの時間に合わせた会議や新年会の設定など公共交通利用を意識した実践例の報告も行われた。また、朝日村から今井経由で松本市街地に来るバスが料金100円のものがあり、これはいつも満杯であるとの報告もあった。料金を格安にすることで格段に公共交通利用者が増える事例報告となった。
一方で、買い物の荷物、子供を抱えて買い物に行くことを考えると完全に自動車から離れることは難しい、といった指摘もあった。市街地の駐車場経営者の経営に与える影響をどう考えるかという課題も指摘された。
議論の総括として、そもそも公共交通の在り方を議論することは都市や地域の有り様を議論することと裏腹であることで一致した。現状は、城の直近に大駐車場があることの是非を考えなくてなならない。本来、城から少し離れたところに城を大きく囲むように駐車場を作り、そこから人々が歩いたり公共交通機関を利用して松本城に回遊できるようにすべきではないか。町を巡って城に来るようにすることで市内の商店街も潤う。伊勢の「おかげ横丁」がよい手本である。まちづくりの議論がないままに目先の利便性を追求してきた結果、市街地が虫食いの駐車場で分断されてしまっている。利便性を最大限に追求する人々が自家用車で殺到することは麗しくない。駐車場になっている空間は公園にするなどまちの潤いを醸す潜在資源である。そろそろ我々は全体最適の観点から地域づくりと公共交通の在り方をセットで議論すべき段階に達している。歩いて楽しいまち、公共交通が便利なまち、それがこれからのまちづくりのキーワードではないか。それが二酸化炭素25%削減に結びつく大道でもある、との議論が行われた。
参加者の若手が月末から自費でフランス、韓国の公共交通の現状を見聞に出かける話を伺い、次回はその勉強の成果を報告する会を企画することになった。定例の勉強会を開催していくことで認識が一致した。
<参考リンク>
「まちづくりの観点から見た公共交通の充実の方向」
「納税者負担ゼロのパリ市の自転車レンタルサービス」
「散策の楽しみを裏付ける制度のあり様」〜英国の事例〜
自由民主党長野県第2選挙区支部長
務台 俊介
○新公益法人法についての勉強会のご案内
公益法人の制度の改正により、現行の財団・社団においては移行手続きが必要となります。このたび、内閣府公益認定等委員会事務局の担当官においでいただき、法律の概要と運用について講義をしていただきます。公益法人改革でお困りの方のご参加お待ちしております。
日時 2010年1月23日 PM2:00〜
場所 高橋節郎美術館 安曇野市北穂高408-1 地図
参加費 1,000円(試料代含む)
申し込み連絡先 松本市白板2-3-30
電話番号 0263-33-0518 FAX番号 0263-33-0519
○むたいニュース第5号が完成しました。
ホームページむたい俊介ニュース(第5号)でご覧ください。
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