むたい俊介メールマガジン第45号 2009.11.25
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「安曇野の環境と健康に資する農地土壌づくり」
石炭灰を用いた意欲的取り組み
農業の将来について大きな懸念がある中で、安曇野市の農業の現場では様々な意欲的な取り組みが行われている。
過日、安曇野市内で環境にやさしい農業を実践している斉藤農園の斉藤彰久社長をはじめ数人の仲間で「安曇野市土づくり農業研究会」(仮称)を立ち上げた。
研究会の狙いは、人工ゼオライトという石炭灰を用いた土壌改良剤を用い安曇野の土壌改良を行って行こうというものである。石炭火力発電所で排出される石炭灰はそのままでは産業廃棄物になってしまうが、ゼオライトと呼ばれる表面が多孔質の物質に変化させることで透水性、通気性に優れた優良な土壌改良効果のある資材とすることができる。
この人工ゼオライトを使った土壌改良を試験的に実践してきているのが斉藤農園なのである。
11月初旬のある日、斉藤さんから時期外れの丸々としたトマトを頂いたが、その甘いこと甘いこと。ゼオライトを使って栽培したトマトであった。
何故斉藤農場が聞きなれない資材を使って土壌改良を行うこととなったのか。その経緯は斉藤農園に人工ゼオライトを紹介した藤原稔氏と藤原光弘氏の熱意に斉藤社長がほだされたということであった。
その藤原さんによると、窒素肥料の製造、施肥に当たって二酸化炭素が発生するとともに、窒素自体が流出し環境汚染を汚染する。その窒素発散を防ぐのにゼオライトが非常に有効に働くのだそうだ。ゼオライトが保肥力を向上させる結果、窒素肥料使用の大幅な抑制につながる。
斉藤社長によると、コンスタントに肥料を欲しがる作物(トマト、白菜、キャベツ、大根、ごぼうなど)にゼオライトは特に有効であり、一方で初期の段階で肥料が必要な作物(ほうれんそう、レタスなど)には化学肥料が有効なのだそうだ。これはゼオライトの保肥力の機能による。
斉藤農園でほうれんそうから始まり、現在はトマト、メロン、白菜、大根、ピーマン、コメに至るまで8年間ゼオライトの使用を試行してきている。土壌がしっかりとし、水管理も簡便となり、有機肥料として使っている鶏糞の臭いも封じ込めることとなっているのだそうだ。ゼオライトが窒素発散を防ぐ結果、臭いも消えるのである。
実は、活性炭の比表面積が1グラムで200平方メートル以上あるのに対し、人工ゼオライトは1グラムで150平方メートルと少ないのだそうだ。しかし、人工ゼオライトは臭いの原因であるアンモニアイオンを電気的に結合させる機能が高く消臭機能が高いのだそうで、実際に、酪農家も臭い対策で人工ゼオライトを使用しているのだそうだ。
ゼオライトには天然ゼオライトと人工ゼオライトがあり、人工ゼオライトは天然ゼオライトの10倍の吸着力があるのだそうだ。ゼオライトが肥料を吸着するためゼオライトを使った土に多肥を行うと作物に肥料が届かず却ってわい化が起きるのだそうだ。
ゼオライトは農畜産業の隠れた問題である重金属対策にもなるのだそうだ。実は、風邪予防のため豚に銅、亜鉛を施す。その結果、豚糞には重金属が多く含まれるのだそうだ。鶏糞には亜鉛が多い由。そして有機肥料として豚糞、鶏糞の長年の活用の結果、土壌への重金属蓄積が問題になっているのだそうだ。もてはやされる有機農法にも問題があるのである。し尿処理場の汚泥にも重金属が含まれている。ゼオライトの活用による有機肥料の抑制は、多面的な土壌浄化対策、水質改善策にもつながる。
藤原さんによると、硫酸銅による消毒(ボルドー液)は有機農法でも認められているが、諏訪湖は上流から流れこむ硝酸窒素が原因で緑に変色しているのだそうだ。硝酸窒素は肥料過多の証拠なのだそうだ。茶畑も硝酸窒素を多用しているが、海の赤潮の原因とされている由。安曇野のワサビ田で最近藻が発生しているが、これも硝酸窒素の影響ではないか、というのが藤原さんの意見である。ところで、人工ゼオライトを用いると、発がん物質でもある作物の硝酸態窒素含有量が通常の1/3に激減するというデータがあるのだそうだ。これは、平成19年、20年にわたる公的機関である長野県中信農業試験場への委託調査で判明したデータなのだそうだ。
環境やさしい農業生産を実現するに留まらず、安曇野のブランドである水を守っていくためにも、人工ゼオライトを活用した安曇野の土壌改良が大きな役割を果たしうるというのが「安曇野市土づくり農業研究会」(仮称)の問題意識である。そして、このことを意識した農家集団を形成し、ゼオライト農家の農産物のブランド化を図っていくことも必要である。
農業の再生。そのためには新しい技術を使った土づくりが必要である、という問題意識に私も共感する。土と水を大事にする農業、それは環境と健康の源である。韓国にも「身土不二」という言葉がある。農業の再生の芽を安曇野で着実に育てることに主体的に貢献する普及研究会としていきたい。
務台俊介
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