自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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むたい俊介メールマガジン第37号 2009.10.10

地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える

〜むたい俊介メールマガジン〜

「次々に伐採されていく果樹を守る仕組み」


 松本平には葡萄園が沢山ある。農家が細々と営んでいる葡萄園である。しかし後継者がいない葡萄園がどうなるかというと、隣接の葡萄園への病虫害を防ぐために次から次へと伐採されている現状がある。私も松本市の山間地の葡萄園でその実態を取材したことがある。良い葡萄を実らせる丹精込めて生育されたはずの老木がこうして無くなっていく。


 一方で、日本の農産物に対する海外の評価はとても高い。食の安全意識が世界的に高まる中で、安全でおいしい日本食が評価されている。私が暮らした英国でも寿司ブームであった。残念ながら、しかし寿司店を経営しているものの多くは日本人ではない。従って、日本で食べる寿司とはだいぶ異なる寿司ネタ、そしてシャリまでも日本産ではなかった。シャリはカリフォルニア米であった。英国人に真の日本の寿司を食べさせたいと切歯扼腕した記憶はつい最近のことである。


 食や健康に関し日本を見習うブームが世界的に起きているようである。その背景がありながら、残念なことに日本の生産者は国内にのみ目を向け、国内で売れなかったり後継者がいないという理由で廃棄したり生産調整したり耕作放棄する農産物が余りに多いように思われる。


 国内で余っていたり、農業後継者が見つからずに廃棄されていく農業資源を何とか活用できないか、そのことにより地域農業を活性化できないか、多くの関係者が問題意識を持っているはずである。そして嬉しいことに、現に様々な取り組みが開始している。


 過日、東京での勉強会の折りに、東京大手町JAビルに入居の国産品使用のレストランのシェフから「青森りんごグリーントラスト運動」をご教示賜った。リンゴの生産者を支えるリンゴの木一本につき年間3万円をカンパする仕組みである。青森県津軽地方ではりんごの木が伐採されている現状があり、立ちゆかなくなった農家が隣接園への虫害を防ぐため自ら伐採しているのだそうだ。日本の安全で高品質な農産物は、これまで小規模家族経営生産者によって支えられてきたものの、この小規模生産者は大規模スーパー・流通業者主導による販売リスクと自然災害リスクという二重のリスクを強いられ、後継者が育たない実態に見舞われている。そこで、そのリスクを解消するために、都会の消費者による生産者や産地への資金提供の具体的仕組みの構想に至ったのだそうだ。


 その仕組みは、


(1)会員から年会費として一口31,500円(税込)を徴収。
(2)各りんご生産者に直接生産費用を支払う。
(3)りんご園地で 実ったりんご、又はジュースを会員に届ける。


 というものであり、農家は生産費が確保できるので安心してリンゴ生産ができるということになる。当然林檎農家の後継者も育つ可能性が増すことになる。


 更に、同じ勉強会で、JA本部の幹部の方から、「緑提灯」というカロリーベースで日本産食材の使用量が5割を超える店舗で飾られている提灯の仕組みが急速に普及しつつある状況も伺った。


 政治の場では、農産物自由化の代替措置として農家の戸別所得補償という全国規模の実験的な仕組みも検討されているが、日本農業を活性化させるために様々な具体的で意欲的なアイデアが出始めていることにもっと目を向ける必要があると思われる。


自民党長野県第2選挙区支部長 務台俊介


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