むたい俊介メールマガジン第34号 2009.09.12
地域の声を国政につなげ
地域の声で国政を変える
〜むたい俊介メールマガジン〜
「政権交代への期待と不安」
8月30日の衆議院選挙の結果により政権交代が決まり、様々な波紋が生じている。
支援者の皆さまにご挨拶に廻る中で、経済界の皆さまの多くが政権交代により景気の腰が折れることの懸念を表明している。すでに景気後退を見込み更なる人員削減を計画している流通業界の役員の話を伺った。公共事業削減の見込みにより建設業界は沈痛な面持ちだ。挨拶回りの折りの関係者の青ざめた顔が目に焼き付いて離れない。子供手当など個人給付が厚くなることへの若い世代の期待感はあるもののそれが長続きするかどうかは不透明であり、「貰えるものは早く貰っておければそれでよい」との刹那的な期待感がせつなさを感じさせる。
過日、霞が関にも顔を出したが、経済対策を急ピッチで行うべき時期にもかかわらず、予算の執行を役所の側の判断で見合わせるなど現在の最悪の経済環境にそぐわない対応が目立つ。「民意の尊重」は経済の足を引っ張ることも厭わないのであろうか。これも官僚制度の保身行動と言えばそうも言えなくはない。
霞が関だけではなく、地方自治体の現場も混乱している。政権交代により、ある程度は行政運営が停滞することもやむを得ないが、経済の腰を折ってもよいとの判断までが国民の念頭にあったとは思えない。政権交代への高揚感でそのような問題が吹き飛んでしまっているとしたら残念である。平成5年-6年の自民党下野の際の経済運営のもたつきによりその後の「失われた10年」がスタートすることになったが、今回も同様の轍を踏むことにならないことを祈りたい。
NHKの朝の番組で、慶応大学のある教授が興味深い指摘をしていた。民主党のマニフェストの基本は、「政治家が官僚よりも能力が優れているということを前提」の提案となっている、と。今回選ばれた民主党の政治家が行政府に入ったものの官僚よりも能力が落ちる場合には、(1)官僚にコントロールされるか、(2)政治家が無理難題を持ち出し行政を混乱させるか、のいずれかの結果をもたらすことになりかねない。
その結果、今回の選挙が「政権交代」という錦の御旗で個々の政治家の「質」よりともかくも政権交代のために特定政党の「量」を優先したということになったことを踏まえ、次の衆議院選挙の論点は、個々の政治家の質を問う点に移っていくことが透けて見えるような気がする。その意味で、有権者とマスコミは、個々の選挙区の選出議員の仕事のやり方、実績を注視していくことが不可欠であると感じる。
自民党長野県第2選挙区支部長 務台俊介
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