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理念・政策・メッセージ

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2018.04.01

「同級生の著した歴史小説」

〜「明治維新始末記」〜


 過日久しぶりに大学の同級生と放談会を開催した。我々の世代も還暦を過ぎ、サラリーマンの世界では世間でいう第一線からそろそろ退き、これからは自分のやりたいことを心置きなくやり遂げる時期に移ったなあと皆で確認する会合になった。弁護士や国会議員はまだ現役、しかし、役所や民間企業にいた面々は第二の職場に移っている。


 懇談の中で、大手商社に就職しその後、ファンド運営の責任者をしている同級生が、二冊目の小説を書いたとの話をし、幕末の混乱期に当時の若者がどのように生き抜いたのかという物語を楽しそうに語っていた。「明治維新始末記」という小説である。


 今年は明治維新150周年であるが、戊辰戦争全体で16万人から20万人が動員され、新政府軍が約3,600人が戦死、幕府軍側が5,000人から9,000人が戦死したことは意外に知られていない。


 そしてその背景に、クリミア戦争、南北戦争という国際環境が影響していたことも我々はしっかりと認識できてはいない。


 そのような日本の幕末の歴史の流れをわかりやすく鳥瞰し、その中で動いた明治維新という回天、そしてその中で自分が正義と信じる信念に従って生きた当時の熱血漢の生き様を、読み物として面白く小説に仕立てた同級生に、心から感服する次第である。


 小説では、幕府軍側の榎本武揚、大鳥圭介、土方歳三、中島三郎助といった面々、新政府軍は黒田良介、山田顕義といった人物、軍事顧問としてはフランス人軍事顧問ブリュレ、イギリス人ブラキストンといった登場人物に当時の時代の流れを代表させて物語を展開させている。


 著者がこの小説に取り掛かるモチベーションは、当時の歴史を調べていて以下のような「歴史の謎」を探求したいと考えたと語っている。


・慶喜が何故に無血開城を受け入れたか?
・榎本釜次郎はいかに五稜郭開城を決心したか?
・土方歳三の遺体は発見されてないが、どのような最後であったか?
・幕府脱走軍は軍資金をいかに手に入れたか?
・五稜郭は本来は艦砲射撃が届かない距離に構築したのに砲撃が届いたのは何故か?
・艦砲射撃の照準はいかに設定されたのか?
・無謀とも思われる幕府軍による新政府軍の「軍艦乗っ取り作戦」は何故に実行されたか?
・幕府と薩長の背後に英仏がいたとされるが、その果たした役割は?


 還暦を超えて、現役時代には時間と財政的な制約により取り組めなかった自分なりの課題に取り組もうとし、それを小説にまとめ、世間に問う同級生の姿勢に、私も大きな刺激を受けた次第である。


「明治維新始末記」


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