自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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理念・政策・メッセージ

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2013.04.28

「教育を触媒にした
農業・農村の活力回復の仕組みの提案」

〜予算委員会農林水産分科会での質疑の要旨〜


 4月15日、平成25年度当初予算審議の一環として予算委員会第6分科会で教育を触媒にした農業・農村の活力回復の仕組みの提案を行い、林芳正農水大臣ほかの答弁者から賛同する旨の答弁を頂いた。私の持論を申し上げ、政府側の前向きな姿勢を引き出せたやり取りについて、以下その要旨を御紹介する。


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 私の長野2区の選挙区には、全国初の山村留学の発祥の地である旧八坂村(現大町市)が所在する。財団法人『育てる会』が昭和51年に始めた山村留学の取り組みは、大きく評価されている。同じく小谷村大網地区にはOBSという子供たちにアウトドアスポーツの拠点施設が存在する。平成5年に閉校した大網地区の小学校の分校を活用し様々なプログラムを提供し、累計で3万人の利用者を集めている。この拠点を維持するために都会から家族連れで大網に移り住んでいる若い世代の存在は極度の過疎減少に悩む地域に大きな活力を与えている。


 こうした個別の営みは、子供の教育に大きなインパクトがあるのみならず、地域社会の再生に向けての大きなヒントが秘められている。今回の提案は、子供の教育という制度化された営みを通じて地域社会の活性化を図る必要があるのではないかというものである。


 私は、総務省に在籍していた時に、和歌山県海南市長を経験された石田真敏衆議院議員と話をし、地域再生と子供の教育を一体的に結び付ける構想の議論を行った。現在、都市の子供を農山村で短期間過ごさせるプログラムが全国で動いており、子供が大いに成長している事例は多々ある。派遣元では武蔵野市のプログラム、受け入れ側では飯田市のプログラムが著名である。


 こうした取り組みを全国展開するシステムとして組み込めないかとの議論である。その具体の提案は、「現在の小中学校の各学年の人数はおおよそ100万人。この子供たちを、例えば一週間単位、クラス単位で合宿させ農村で過ごさせる。1週間30人、1か月で200人、10か月では2,000人になる。100万人を2,000人で割ると、全国で500箇所の定時受け入れ先が必要となる。廃校に手を入れたり、寄宿舎を整備したり、農家にホームステイしたり、受け皿の整備を行う。通年で、経常的に2,000人規模の子供が、特定の農村地域に入り込んで生活をするということになると、地域社会でビジネスが成り立ち、地域経済の活性化にもなる。」というものである。


 受け入れ側の農山村にとってもビジネスとして成り立つような仕組みというのは、継続性の面から見て有効な発想である。実は、この提案は、自民党の選挙公約j・fileにも含まれている。24ページにある「都会と農村の子供の交流を制度化する仕組み」は、実はこうした構想が背景にあるのである。


 先行的に短期間の農村交流を実施している武蔵野市では、山村滞在を果たした生徒が見違えるように元気になって帰ってくる。この事業を開始した当時の土屋正忠武蔵野市長(現衆議院議員)は、当初1ヶ月の農村滞在を考えていたものの、学校の先生の負担を考え、9泊10日の短期滞在に止めているようであるが、それでも学校の先生の負担、補充の先生の確保、派遣経費など武蔵野市の負担は少なくない。


 それでも、生徒が見違えるようになって帰ってくるのを実感した親の熱烈な支持があるので、学校の先生も「負担になるからやめよう」とはいえない雰囲気がある。


 武蔵野市の成功を見た千葉市でも、同趣旨の農村への生徒の交流を始めているという話を、農林水産省の都市農業・地域交流室長(当時)の下條龍二さんから伺った。そして、都市と農村の交流事業に詳しい下條さんの認識だと、一番のネックは、確実に負担の増える学校現場の先生方なのだそうだ。確かに、最近とみに学校現場の負担感は高まっている。


 今動いている制度の下では、子供を農村に派遣する側の負担は確かに非常に大きい。文部科学省によると、事前準備、安全確保、事後の報告などで学校側の心理的壁が極めて大きいことは容易に推測できる。


 しかし、発想を変えることは十分可能だ。学校の先生は、普段どおりの授業をすれば十分。交流事業を支えるのは、地元であったり、NPOであったり、地域社会であったり、要は受け皿のシステムを確立していけば課題は解決可能であると考える。


 現在は、団塊の世代が大量に退職した段階である。この人たちは、体力・気力・資金力がある。引退して何をしたらいいのか、迷っている。まだまだ仕事をしたい人もいるだろう。しかし仕事だけではない社会貢献にも乗り出したい気持ちの人は多いはずだ。その人たちの潜在的気持ちを引き出す仕組みを組み立てることができれば、学校現場の先生方に過度な負担を負荷することは避けられる。


 こうした子供の農村体験プログラムの展開次第では、団塊世代に限らず、若者の農村移住も促進されることにもなる。総務省が実施している「地域おこし協力隊」という地方交付税による地方応援制度があるが、例えばこうした仕組みも利用し、当初、協力隊員にこの事業の事務局機能を務めてもらうということもありうるのではないか。


 そして将来の交付税制度の改正の提案だが、市町村毎に他地域からの子供の受け入れ延べ人数の指標を把握し、これに基づく財政需要を受入れ自治体の交付税の需要額に加えるということも考えられるのではないか。総務省でも、制度の根拠が確立すれば、そのような対応は十分可能であると認識している。


 そこで、農水省、文科省、総務省が制度構築に向けての協力体制を組まれることを強く期待したい。文部科学省は学習指導要領を変更し、1週間程度、農山村で授業を行う事業の位置づけを行う、農水省は農山村の受け入れ態勢を整える、総務省は市町村側の受け入れ態勢、財源措置などを行うといった協力体制を構築することで、こうした構想は実現できると考える。


 子供の教育という、国の制度の根幹の仕組みを農山村の活性化の触媒として活用することは、子供と地域の両方を再生させる効果を持つ。このような施策を全国的、体系的に講じることを通じ、都市と農村のシンパシーを醸成しなければ日本の国は内部から滅びる。TPP議論がある中で、足もとの地域社会、農山村の強靭化を図るためにもこうした仕組みの構築の構築をすべきだと強く信じる。


 林芳正農林水産大臣も、基本法を制定し、この仕組みを確固たるものにすべきことを御指摘になり、議員連盟を作りあげるヒントも頂いた。私自身がこの課題に率先して取り組むことを予算委員会の場でお約束申し上げたところである。


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