〜中国の富裕層に日本の医療機関の人間ドック機能を提供。地方空港にダイレクト便を〜
松本空港に富士ドリームエアラインズ(FDA)が就航して空港存続問題はひとまず難を逃れたというところだ。過日は上高地の梓川縁から真っ青な空を見上げていると、西穂高岳の上空を青い機体のFDA機がゆっくりと松本空港方面に滑空していくのが目に入った。上空からアルプスを望む景色はさぞ絶景だろうと想像できる。
松本空港がこのような絶景の高地にあるというメリットを十二分に生かした地域活性化・国際観光戦略を立てなければならない。
松本市民の中には、市民が松本空港を使うことはほとんど無いから税金を投入するくらいなら廃港にしてしまえという意見の持ち主も少なからずいる。しかし、私はその考えはいささか狭視眼的だと考える。
空港を戦略的拠点と位置づけてその機能を最大限活用する方策こそ求められる。
ところで、松本には信州大学、相澤病院などの整備された医療機関がある。例えば、これらの医療機関の検査機能を活用し、中国から富裕層を人間ドック受診のために誘致する。4泊5日くらいのゆったりとした日程を確保し、「人間ドック」+「アルプス観光」+「温泉」の組み合わせで、体と心と目のリフレッシュを行う。
一度この地を訪れた中国人はそれこそ優れた医療機関の検査を受けつつ、世界有数の自然の醍醐味を味わえ、必ずやリピーターになっていくであろう。
躍進する中国のエネルギーを、この地に所在する優れた医療技術と自然環境により吸収し、この地の地域再生の原動力としていくことは十分可能である。
松本空港はそのための玄関口となる。面倒な通関手続きを松本空港でスピーディーにこなせるようにするなど、行政当局の努力は必要であるが、さしたる問題ではない。
今ある施設と地域資源を如何に生かすか、組み合わせの工夫次第で、地域再生は実現する。経済界、行政当局、観光産業、医療業界、そして政治の機能が戦略的連携を取るべき時期である。
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