「選挙戦最後の訴え」

(8月29日 午後7時半 松本駅前)

 この1年故郷に戻ってきて、私は、中山間地あり、田園あり、地方都市あり、さまざまな風光明媚(めいび)な箇所を見てまいりました。私は、各地域の皆様の顔を見ながら、この地域のそれぞれの課題、悩みを反すうするように確認してきました。皆さん、この鳥取県と同じ広い地域、この地域の課題は、東京都の課題に負けない程の大きな課題があります。しかし、この地域を代表している衆議院議員はただの1人です。東京都からは42人も衆議院議員が出ています。その東京都の国政の力に対抗するには、この地域からはよっぽど、よっぽど力のある者を国政に出していかなくてはならないんです。皆さん、現状はどうでしょうか。

 皆さん、この松本駅前のイルミネーションを見てください。どのくらいの割合で明かりがついているでしょうか。7割方明かりが消えている。土曜日の7時半ですよ。いったい、松本の経済はどうなってしまったのでしょうか。この6年間で県民所得は日本で一番大きな下落を記録してしまいました。何がそうさせたのでしょうか。明らかにこの地域の国政の不在がある、機能不全がある。皆さんはそのようにお考えにならないでしょうか。

 国会議員のありようというのは、地域の経済、雇用、この地域の地域間競争力にとって極めて、極めて大きなものがあります。そのことを我々はもっと強く認識しなくてはならない。これだけの可能性がある地域はありません。日本でもっとも可能性を持ったこの地域。スズキ・メソード、サイトウキネンオーケストラ、音楽の殿堂の種がいっぱいあります。そしてバーナード・リーチが愛した民芸家具の伝統もあります。それぞれの潜在的資源をいかに組み立てて、日本、世界にアピールしていくか。そのような戦略的方策を考えていかなくてはなりません。この地域の隠された資源として日本で一番長い日照時間がある。日本で一番の太陽光発電のメッカとして、この地域を大きく環境を軸としたエネルギー政策のメッカとすることも可能です。そのようなことを考えていく場合には、地元の行政と経済と、そして国政の力が必要です。それぞれがバラバラに動いていては大きな力を発揮できません。皆さん、今それを実現できるチャンスがめぐってきているのです。明日の選挙でこの地域からどのような国会議員を選ぶか、そのことでこの地域の将来の発展可能性が高まるか、低いままで推移してしまうか、そのことが決まってしまいます。

 皆さん、今、民主党に大きな風が吹いている。4年前の自民党に対する風と同じです。皆さん、郵政選挙で自民党を勝たせすぎたと思って、有権者の人は今回反省しているかもしれません。その反動で今度は民主党を大きく勝たせる。しかし、これは前回の郵政選挙の反省を踏まえているとは言えません。前回の反省は、感情とか怒りとか、そのようなもので判断するととんでもないことになる、それが大きなメッセージではないでしょうか。今回、同じ感情や怒りで判断すると、同じ間違いを犯してしまいます。お灸を据えることは必要かもしれません。しかし、お灸はいいけれども、やけどは困る。少なくともこの地域の有権者の皆さんは、そのことをよく認識してほしいと願っています。皆さん、この地域をよくするにも、国政をよくしていくのも代議士の役割が非常に大きいということを認識しなくてはなりません。今求められているのは人材です。人材こそが命です。政治も会社も人材なくして国立たず、地域は成り立たない。それを選ぶのが明日の選挙です。党派の色がよければ誰でもいい、そのような選挙をやってはいけない。党の主張は主張として踏まえた上で、その党のユニフォームを着た人の中味をきちんと検証しないといけない。何ができるのか、何をしてきたのか、何をしなかったのか、そのことをきちんと検証した上で、明日の選挙に臨まなくてはならないのではないでしょうか。

 イチローはオリックスのイチローだからイチローだったわけではない。マリナーズに行ってもイチローです。イチローは、どのチームに行ってもイチローだから評価を得ているのです。国会議員もそれと同じです。党派によって一律にいい悪いの判断をしてはなりません。今回民主党が強いでしょう。ですから、民主党の人は小選挙区で落ちても、比例でかならず復活します。そうであれば、務台俊介この私を、小選挙区で上げていただければ、民主党候補が落ちたとしても、2人の代議士がこの地域から誕生することになる。この地域を支える代議士が2人いる。皆さん、そのことが地域にとっていいことでしょうか、悪いことでしょうか。もちろんいいことです。仕事に不熱心な人がこの地域を引き続き代表することほど、この地域にとって不幸なことはない。もう2度と過ちを繰り返してはならない。その気持ちを有権者の人が持ちさえすれば、明日の結果はおのずから出てきます。民主党であれ、社民党であれ、比例区はいざ知らず、小選挙区は務台俊介にぜひ、ぜひ、ぜひ清き一票を入れていただけないでしょうか。そのことが、この地域をよくします、国政もよくします。皆さま方のお気持ち次第で、この地域も国政もよくなるし、悪くもなる。

 皆さん、あとひと息です。今日、豊野から松本に来る道中、有権者の皆さまの反応が非常によかった、これまでになくよかった。私は負ける気がしません。しかし、新聞社の前評判では私は弱いことになっている。ぜひ、新聞社の前評判が誤報になるように、皆さんのお力をいただけないでしょうか。皆さん、最後の一歩、皆さんのお気持ちで、ぜひ私を地域貢献させていただきたい、国家に尽くさせていただきたい。今が一番、脂がのりきっています。今がちょうど、モモの食べごろです。モモは半年経ってはおいしくありません。今是非、皆さまに私をご賞味いただきたい。そのことをお願いして、私の393日間の戦いの締めくくりの演説とさせていただきます。ありがとうございました。


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