「出張中の負傷を通じて考えたこと」
〜私のご守護体験〜

 7月29日から8月2日までの衆議院環境委員会によるベトナム、インドネシア出張は、途上国の廃棄物処理改善に対する日本の支援の現状と課題を探るものでした。日本の技術と資金、人的支援がしっかりと動きていることを確認できた実のある視察になりました。幾つかの課題も見えてきました。それはそれとして政府とともに改善、横展開に向けて頑張らなければなりません。

 一方、私個人にとっては、「痛い出張」となりました。29日早朝、ハノイのホテルの浴槽で石鹸の泡に足を滑らせつんのめり、洗面台の角に前頭部を激突させ、5センチくらいの傷がぱっくりと開きました。出血もあり、在ベトナム大使館に対応をお願いしたところ、継松秀太医務官の紹介でホテル近くのハノイフレンチ病院で直ぐに処置して頂けました。麻酔をかけ傷口を6針縫合、その後、念のためCT撮影も行いました。処置して頂いた医師は、フランス人の女医さんでした。対応が早く、午前中にはすべてが終わり、CT画像に異常がないことを確認した医師の指示により公務に復帰できました。

 痛み止めを服用しつつ、腫れた前頭部にガーゼを当て、少し見苦しい風体ながら、日程をこなしました。外国旅行先の事故にまさか私自身が見舞われるとは想定していませんでしたが、今回は不幸中の幸いとも言うべき対応を頂けました。在ベトナム日本大使館のベトナム人通訳は、日本で看護師の研修をした方で、継松医務官と共に支援体制を敷いてくれました。継松医務官はホテルにお越し頂き、ガーゼの交換も行って頂けました。ベトナムの次の出張先のインドネシアまで連絡をいただき、容態の変化をご確認いただきました。ご子息は信州大学医学部を卒業され、継松医務官ご自身も常念岳の常念小屋診療所で活動したことのある方で、松本が選挙区である私のことを特に心配頂いたようです。

 傷のほうは、次第に血液の塊が眉毛、右目周辺、目の下に降りて来るに連れ、腫れは少しづつ解消に向かいました。紫斑が生じ、少し痛々しい面相にはなりましたが、元に戻るのはそう遅くはならないと期待しています(執筆時は8月2日)。

 病院費用は、日本円で13万円ほどかかりました。カード保険が適用になるとのことでしたが、事後清算の対応とし、その場でカード支払いを行いました。いざというときに、費用の支払いも含め、どのような対応になりうるのか、もっとしっかりと事前に準備しておかなくてはならないと感じました。そして、ベトナムの医療事情についても、自分自身の体験を通じて少し垣間見ることができました。

 それにしても、仮に打ち所が悪く、目に傷を負ったとしたら、私の今回の視察は遂行できなかったと思います。同行の皆様には大変ご心配をおかけしましたが、何とかスケジュールを完遂できたのは、ご支援いただいた皆様のおかげであると感謝するとともに、紙一重で致命的な状況回避ができたことは神仏のご加護と考えざるを得ません。世の中には自分の力ではどうにもならないことがある、その際に、何かの力が窮地から救ってくれるということがあるのだと意識し、その意味で、今回の事故からの復帰は、私の「ご守護体験」になりました。その恩返しのためにも、代議士として、有権者の皆様から付託された使命をしっかりとやり遂げなければなりません。

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