「ビジネスシステムとしての資源循環社会が到来」

 長野県資源循環保全協会が法人化30周年の記念祝辞を投稿しました。循環型社会の実現が世界の潮流であると、私の所見を述べさせていただきました。以下、共有します。

 長野県資源循環保全協会が法人化30周年を迎えられ、心からお祝い申し上げます。法人化30周年の記念式典には、来賓として祝辞を述べさせていただき、大変名誉なことと感謝申し上げます。

 資源循環の重要性の認識は、最近とみに高まっています。その重要性は当然、以前から分かっていたことではありますが、地球温暖化という地球的課題に端を発し、この課題に対応するために何をすべきかを考えた場合に、その手法の一つとして、廃棄物削減、資源循環という手法の重要性が再認識されたということではないかと私は考えています。

 令和6年の5月にマイクロソフト社最高サステナビリティ責任者メラニー・ナカガワ氏から同社の脱炭素、水の再生、廃棄物削減、生態系の保全に対する10億ドル投資プロジェクトについて聞く機会がありましたが、一見、廃棄物とは無関係な世界的企業が、同社の世界戦略の中核に廃棄物問題への対応を掲げているのです。

 廃棄物への取り組みがマイクロソフト社の世界戦略に入っているということは、同社と取引する企業は、この問題への取り組みを的確に行っていかないと、マイクロソフト社のサプライチェーンから排除されることになるということを意味しています。

 つまり、各企業は、自身の事業所から排出される廃棄物をワンウェーで廃棄する手法では、ビジネスが成り立たなくなるということです。廃棄物を資源として循環させ、地球環境を保全することがビジネスシステムとして確立されていくということです。

 そのシステムづくり、運営の中核となるのが、資源循環保全協会に集った皆様の任務であり責務であると認識しています。もとより、その制度の形成の大本は環境省をはじめとした政府、そして我々国会議員の役割ですが、それを現場で担って頂ける皆様の存在なくして実現できません。

 今後大量廃棄を迎える太陽光パネルの循環再利用に対しては、技術革新の手法の研究が進んでいます。我々もその研究の現状を確認しています。今後とも、皆様の下にある知見も共有させて頂き、より良い資源循環社会の実現に向けて共に歩ませて頂きたく存じます。衆議院環境委員長としてもそのことを切望します。

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