「犬との生活を始めて」

 2023年7月から愛犬を飼い始めました。きっかけは、癒しを求めたいとの妻の強い希望がありました。縁あって、生後3か月のシーズー犬との出会いがあり、妻が「スー」という名前を付け安曇野市の自宅に迎えました。幼犬はとても可愛く、餌やり、下の世話、健康状態のチェック、トリミング、散歩など家族の生活は一変しました。私も地元に戻った時には、愛犬の世話を自分自身の行動の相当部分に組み入れる結果となっています。

 犬を飼って感じたことに、犬という切り口を通じて世の中の方々の感情、ものの見方、ペットをめぐる社会の現状が分かってきたということです。特に年配者が寂しさを共有してくれる友として位置付けていること、家族の関係の緩衝役として和やかな家庭をつくるきっかけとなること、ペット業界が大きな市場として成長してきていること、アニマルウェルフェアに対する意識が急速に高まっていること、ペットを虐める様々な行動に対して激しい反発が生じること、ホテルなどの公共空間にペット同伴の道を広げることに対する期待感が強いこと、災害時にペット取り扱いをしっかりと決めておくことに対する需要があること、獣医がペット業界に流れ家畜対応の獣医が不足する状況への懸念があること、などの問題意識に触れる機会が増えています。

 意外な発見もあります。松本市内の中心部でペットホテルを始めた群馬県からの移住者の方から、開業してどうなるかと思ったが、非常に盛況だとのこと。その理由が、松本を訪れた観光客がホテルにペットを同伴できないので、近くにあるこのペットホテルを利用するのだというのです。観光の形態も団体から家族、個人に変わる中で、ペットを連れての旅行に対する対応が求められているようです。

 ペット飼育を通じて社会の絆を強くしようという動きもあります。私も複数のペット愛好者のSNSに参加していますが、飼い主のペット飼育に対する意識の高さには驚きを感じます。また、「わんわんパトロール」という仕組みを作り、犬の散歩を通じて地域の見守り、パトロールを継続している動きもあります。私も松本市内で松林さんが作ったこのグループに参加し、パトロールで発見した事象をSNSにアップしています。ペットを通じて一種のコミュニティーが出来上がっているのです。

 4月10日で我が家の「スー」は満一歳になりました。ドッグイヤーという言葉があるほど犬の成長は早いです。これからスーとの同伴生活を通じてどのような展開が待っているか楽しみです。私も、ペットを通じて様々な気付きを得られ、その中で得られた問題意識を政治的問題解決に生かしてまいりたいと考えています。

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