「「脱炭素先行地域」の意義」

 令和3年に政府は2050カーボンニュートラル宣言、2030年二酸化炭素排出46%減(対2013年比)の目標を掲げました。これは大変高いハードルであり、官民問わず、本気で実施しないと間に合わないことになります。それだけ地球温暖化の脅威は増しているということです。政府を挙げてこの目標を実現するために政策を打ち出していますが、私が副大臣を務める環境省では、家庭などの温室効果ガス排出を2030年度までに実質ゼロにする「先行地域」の第1弾を来春に選ぶと発表しました。自治体向けの説明会を開き、22年1月以降に公募を始めこととしていますが、第2弾以降も順次、選定していく予定です。

 先行地域は令和3年6月にまとめた「地域脱炭素ロードマップ」で創設が盛り込まれ、自治体によってはそれを受けてすでに準備をしているところもあります。環境所としては、少なくとも100カ所選び、政府が目標とする50年に先立って脱炭素化を進める計画です。農山漁村や離島、市街地などが対象で、太陽光、小水力、バイオマスなど再エネと省エネを組み合わせ、家庭やビルの電力消費に伴う温室効果ガスの排出ゼロを目指します。

 先行地域に選ばれた自治体には、令和4年度予算案に盛り込まれた200億円の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を配分することになります。また、総務省でも自治体の脱炭素の取り組みを支援するために、公共施設等適正管理推進事業債の枠を1000億円拡充し、地方自治体が保有する建築物等における再エネ設備の最大限の導入など率先した取り組みを計画的に実施できるよう支援することとしました。

 取り組みの手段は出揃いました。令和4年は、いよいよ全ての自治体、事業所そして個人が脱炭素の取り組みに向けて走り出す年になります。私は、山口壮環境大臣とも話をし、我々環境省の政務三役が率先し、こうした自治体、事業者の取り組みを促すために全国行脚を開始することを確認しています。早ければ令和4年の年明けから行動を開始します。

 年末の地元首長との話し合いの中でも、この取り組みを勧めています。例えば、JR東日本では水素列車の開発が最終段階に至り具体的配備の計画もありますが、課題は、沿線の主要駅に水素重点ステーションが配備されているかであり、例えば、私の地元の大糸線の松本駅、安曇野駅、大町駅、南小谷駅といったところに、地元再エネ資源を活用し製造した水素を貯蔵するステーションがあれば水素列車配備の現実味を帯びるとの話をしています。それを行えば、必ず地方に若者は戻ってきます。登山、スキーを名楽しみながら地球温暖化対策という地球貢献ができるのですから。

 地球温暖化対策と地方創生はコインの裏表であり、政府の支援を受けて自治体が本気で取り組む課題であり、令和4年がそのスタートの年になるのです。私も頑張ります。

<参考>
https://www.env.go.jp/guide/budget/r04/r04juten-sesakushu/1-1_01.pdf

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