「沖縄の漂着軽石を視察」

 10月31日に投開票の第49回衆議院総選挙を経て何とか4期目の当選を果たすことができました。この場をお借りしてご支援頂いた多くの皆様に御礼を申し上げます。当初目指した小選挙区の当選は果たせませんでしたが、長野県内の他の選挙区で接戦を制して小選挙区勝利を果たした自民党代議士の健闘のお陰で、比例復活による議席が私のところにもたらされ貴重な一議席を確保することができました。事前のマスコミ予想では、私の選挙区では私自身の比例復活も難しいとの予想が出される中、結果的に議席を確保できたことは、それこそ神仏の御加護があったものと感じる以外の感想はありませんでした。

 そのような中、選挙後の人事で引き続き環境省副大臣、内閣府副大臣の立場を担当することが許されました。11月11日に皇居で天皇陛下から親任状を賜りました。議席を失えば当然失うはずだった副大臣の立場を保全し、重大な局面にある環境政策に重責を果たすことができることになりました。

 そういう観点から、与えられた職務には全身全霊の対応をしたいとの気持ちが満ちておりますが、選挙明けの11月2日には環境省に玉城沖縄県知事の訪問を受けました。知事の要請は、海底火山の影響で海洋を漂っている軽石が沖縄県の海岸に打ち寄せ困っていることから環境省をはじめとして政府の支援を得たいというものでした。私からは、港湾、漁港以外の海岸対応は環境省の所管であり沖縄県の要請には全面的に対応すること、その為に補正予算を含め財政支援をしっかりとやることを約しました。そして、できるだけ早い段階で沖縄県を訪問し、現場を視察させて頂きたいとお伝えしました。

 それから2週間を経て、11日17日に日帰りではありましたが、環境省の担当者と共に沖縄県庁と軽石漂着の現場の恩納村のビーチを訪問しました。沖縄県では知事の下に対策本部を設置し体系だった対応策を構築しておられました。玉城知事との会談の後、長浜恩納村長を訪問し、漂着軽石の仮集積場、軽石が漂着しているビーチをご案内頂きました。海岸線が非常に長いことから軽石を除去することは人海戦術に頼らざるを得ないこと、その作業はある程度の期間を要するであろうことが実感されました。

 港湾や漁港は業者が軽石除去に対応していますが、自然海岸はホテル関係者や地元の皆様がボランティアで対応されているとのことです。一方で、ホテルの支配人からは、軽石漂着のニュースが全国に流れた結果、観光客や修学旅行のキャンセルが相次いでいるとのお話を伺いました。

 その話を伺い、修学旅行の子どもたちに軽石ボランティアに従事してもらうことはできないものかとのアイデアが頭に浮かびました。重油漂着と異なり、今回の軽石は健康に問題が生じる懸念が無いとの化学的分析結果が明らかになっています。そうであれば、沖縄県が困っている海岸を美しくする活動に子どもたちが従事することは、教育的効果が絶大だと思いました。海底火山活動による軽石漂着という地球の営みが地域に対して影響を及ぼしている事態に巡りあったこの奇遇をチャンスととらえ、それに自分自身がどのように対応したかということはそれぞれの子どもにとって一生の思い出になるはずです。

 環境教育という観点で環境省も関与可能だと考えますが、修学旅行という観点では文科省がメインで関わってきます。地元の意向を確認しながら、省庁間連携の中で「軽石ボランティア修学旅行」構想を練り上げて参りたいと思っています。

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