「平成31年新年の挨拶」

 皆様、平成の御世最後の新年を迎え、お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。私は、年末の12月23日の天皇誕生日、この元旦には皇居にお伺いし、今上天皇のご謦咳に接してまいりました。30年間にわたる平成の時代をしっかりと歩まれた天皇陛下におかれましては、誠にお疲れさまでしたと心から敬意を表させて頂きたいと思います。

 私もこの30年間、公務員として、大学教授として、国会議員として、そして何よりも一国民として、陛下が歩まれた時代を共に共有させて頂けたことになります。その意味では陛下の歩みは自分自身の歩みに重なるという意味でも大変感慨深いものがあります。

 この30年間の平成の流れを振り返るとき、とにかく大災害が頻発したことが思い出されます。阪神淡路大震災、東日本大震災をはじめ多くの被害が日本列島を襲いました。東京電力福島第一原発事故も大きな傷となりました。我々日本人がこの痛手を乗り越える過程がそのまま平成史になっています。

 新しい天皇陛下の下で、時代はどのように推移していくのか、粛々とご譲位の手続きが進む中で、我々政治家は時代に即した政策対応を考えていかなくてはなりません。国内最大の課題は人口減少対応型の社会を作り上げることです。社会保障制度の再構築、地域政策、地方の活性化の在り方が問われます。それを支える経済の活力を確保しなくてはなりません。そのことは国の安全保障の構築が大前提になります。制定後72年を経て、時代環境が激変する中で、現代にふさわしく未来にも通じる日本国憲法の在り方も議論していかなくてはなりません。

 新しくご就任の天皇陛下は、山に親しまれる方であられ、私も、全国初の「山の日」記念式典が松本市で開催された折にお話をさせて頂いたことがありました。是非、再び、ご家族で上高地にお越し頂きたいとの願望を持っています。

 我が国が、皇室制度という独自の素晴らしいシステムを維持発展させてきたことの得難さに感謝の念を表させて頂き、新年の挨拶とさせて頂きます。


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