むたい俊介
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長野2区 自民党

【メッセージ】
「真の友人として伝えるべきこと」
(松本日中友好協会会員として思うこと)


 最近の日中関係の悪化には正直心を痛めています。その原因が何処にあるかは日中友好に携わって来られた皆様はよくお分かりだと思っています。私は父親が満州開拓で彼の地に滞在し、その後シベリヤ強制労働の当事者となり、1年11か月を経て故郷に戻り、大好きな信州で仕事と人生を全うし11年前に亡くなりました。父親も巻き込まれた日中戦争で日本が中国に迷惑をかけたことは歴史的事実だと思います。それに対する贖罪の気持ちもあり、様々な分野の日中友好の活動が行われてきました。そして中国がここまで急速に発展したのは、日本の手厚い支援があったことも歴史的事実だと思います。天安門事件で国際的に孤立した中国に対して西側国際社会で真っ先に手を差し伸べ、天皇陛下の訪中を実現し、それを機に中国は国際社会に復帰し、今日に至っています。

 経済発展をすれば中国の民主化、自由化が実現すると思い込んでいた日本の考えは甘かったようです。経済発展の成果を中国の軍事強国化に向かわせ、国内での仮借なき人権制約に手心を加えない中国共産党の手法には驚きを感じえません。日本国内の政府機関、病院を含め社会インフラに対しサイバー攻撃を加える現状も座視できないレベルになっています。留学生、研究者を使った機微技術情報の搾取も枚挙にいとまがありません。IAEAが国際的な安全基準に収まっていると言明しているアルプス処理水の問題についても、政治的思惑から日本、福島県を貶める行為を止めようとしません。

 私は、5年前に四川省成都市での国会議員日中韓囲碁交流大会に出席してきましたが、その後の中国政府の傍若無人な振る舞いによる日中間の関係悪化は、斬鬼の念に堪えません。全てを隠ぺいする体質、嘘を嘘とも思わない体質、自分に不都合なことは突っぱねる体質、国連安保理常任理事国としてロシア同様国際社会に対峙し、国連の機能不全を引き起こす体質。様々な局面で、日中友好協会会員として見ても、目を覆う事態が進展しています。

 台湾に対する姿勢はもとより、わが国固有の領土である尖閣諸島に対する威圧的な対応も断じて許すことはできません。ここに及んで、日中友好協会としては何をすべきかを考えた場合、中国を刺激しないためにこれまでのような当たり障りない対応に終始するのではなく、真の友好関係を実現するために、中国関係者に言うべきことをしっかりと伝え、場合によっては諫言も厭わない対応が必要ではないでしょうか。それこそが、真の中国の友人として行っていくべきことだと信じます。

 松本日中友好協会の春節祝賀会で、相澤孝夫会長が、「昨今の情勢を踏まえ、友人からはいつまで日中友好協会会長をやってるんだと批判されている」との苦しい心境を吐露されていました。長野県華僑協会王昌勝会長は、日中関係の悪化により在日の100万人が苦境に陥る懸念を表明されておられました。日中友好を願う関係者の気持ちをしっかりと踏まえて、中国共産党は、覇道ではなく王道、正しい道への軌道修正を行うことを強く望みたいと思います。

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