むたい俊介
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長野2区 自民党
【メッセージ】
「EU議会、ウクライナ避難民、アウシュビッツ」
〜戦争により人間の運命が左右される現実〜
7月12日から15日まで4泊6日の行程でEU 議会の招きでフランスのストラスブールに所在するEU議会を訪問し、第41回日本・EU議員会議にてEU議員の皆様との意見交換を行ってきました。船田元代議士を団長に衆参の国会議員で日本とEU の共通課題について意見交換を行う参加するこの会議は、日EUの執行部同士の意見交換と並行し、議会同士の意見交換の場として意義を有する会合だと改めて感じました。私はその後、ポーランドに向かいウクライナ避難民の皆様との意見交換、アウシュビッツ訪問を行いましたが、その折にもEU議会での意見交換を踏まえた対応ができたことは意義があったと考えています。
12日には、EU議会との意見交換に先立ち、ストラスブール総領事館で内田総領事からEU政治の現状のレクを受け、マカリスタEU議会外務委員長、ランゲ国際貿易委員長との意見交換を行いました。EUとしても同志国(like-minded people)日本との戦略的連携を重視する姿勢を強く感じることが出来ました。マカリスタ委員長からは、ロシアのウクライナ侵略以来ドイツの極左平和政党ですら欧州のウクライナ軍事支援に沈黙しているとのコメントがあり、現状の世界は理想的なあるべき姿の「pony farm」ではなく19世紀的領土拡張の野望に満ちた独裁国家が存在しているとの指摘を承りました。代表団の一員の小野寺五典代議士からは、中国軍基地からロシア爆撃機が飛び立ち我が国周辺を威圧している現状をEU議会側に伝えるなど、ロシアと中国の連携について警戒を強めるべきとの観点をしっかりと伝えました。私からは中国政府がプロパガンダ攻撃をしているアルプス処理水への公平な評価を改めて要請しました。
12日の午後、EU議会でEU議員の皆様と、最近の社会経済情勢、ウクライナ侵略、東アジアの安全保障環境について忌憚のない意見交換を行いました。緑の党に属するEU議員の皆様も、EUによるウクライナ軍事支援の必要性をはっきりと是認していましたが、この点では、日本の一部野党の皆様との状況認識、危機感の差異を感じました。
13日午前中、EU議会との2日目の会合に臨み、人工知能の利用と制御、環境・エネルギー、物価上昇対応、日EU貿易について意見交換を行い、12日の議論も踏まえ、共同声明を発出しました。
偶然ですが、ストラスブールでの日EU議員同士の会談と並行し、ブラッセルでは岸田文雄総理が出席した日EU首脳が開催されました。行政レベルの会合と議会同士の会合が並行して行われることで日EUの関係が重層的に深まることを期待しています。EU議会の皆様とストラスブール市内の古民家レストランで夕食を共にする機会もあり、個人的な関係も深めることが出来たことも収穫です。
14日はポーランドのワルシャワに飛び、午前中、ポーランド下院議員で日ポーランド友好議員連盟会長のノヴァツカ氏、グラバルチェク会員と日ポーランド関係について意見交換の後、ワルシャワ市内のウクライナ・ハウスを訪問し、6名のウクライナ避難民の皆様のお話を伺いました。そのうちのお一人は戦争で夫を亡くし母子家庭の境遇とのことでした。全員が女性で、子供の教育、住居問題が切実との話に聞き入りました。その際に、避難民の皆様に、朝日村産のビーツをお渡し、朝日村の皆様からの激励メッセージをお伝えしました。
その日の午後、ワルシャワのユダヤ人歴史博物館を見学し、ワルシャワのゲットーの壁の遺構も訪問しました。そしてワルシャワから車で3時間半かけて古都クラコフに到着し、翌15日にアウシュビッツを視察しました。日本人公式ガイドの中谷剛氏の案内で施設全体を回りました。特にガス室の中では非常な緊張感を覚えました。アウシュビッツ収容所の入口の「アルバイト マフト フライ」の表示版前の白樺は、ここを出入りするユダヤ人収容者をずっと見つめてきたとの話でしたが、長野県の県木が白樺であることから不思議な感情移入に襲われました。更にビルケナウ強制収容所(アウシュビッツ第2収容所)も訪問しました。ビルケナウ収容所のガス室は終戦直前にナチスが破壊し、残骸がそのまま残されていました。アンネの日記の作者アンネ・フランクもここに収容されていたとのことでした。実は、当時米軍もガス室の存在を把握し、その証拠の航空写真も展示されていたとの説明を受けましたが、戦争遂行を優先し、ユダヤ人捕虜の救出は戦争が終わってからになったとのことです。いろいろ考えさせられる訪問となりました。
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