むたい俊介
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長野2区 自民党

【メッセージ】
「公務員への風当たりの現場」

 選挙区内を廻っていて公務員への風当たりをひしひしと感じることが多々ある。その最大のものの一つに、「再就職の斡旋」ということがある。

 過日とあるリンゴ農家の方と話をした。専業のリンゴ農家の方が盛んに「公務員の天下りはけしからん」という話をされていた。何か特別の理由があるように聞こえたのでそれを伺うと合点がいった。

 そのリンゴ農家の方は、専業で丹精込めたリンゴを作っておられる。そのリンゴは評判が高く、首都圏や関西圏から直接買い付けに来るほどの評価で、私が訪ねた際にもわざわざ遠方から車で買い付けに来た複数の客に出会ったほどだ。

 ところがそのリンゴ農家のリンゴ園に隣接する某氏のリンゴ園が耕作放棄され荒廃しているとのことであり、私も実際にそのリンゴ園を見せていただいた。リンゴ園は耕作放棄すると害虫が発生し、病気が蔓延し、それを防止するために大量の除草剤が撒かれ土壌汚染の原因にもなっている。(写真挿入;耕作放棄されたリンゴ園の惨状)

 現に、隣のリンゴ園の接するリンゴの木の樹勢が衰え、枯れた木を植え代えるといった処置までせざるを得なくなっているとのことであった。

 隣接する某氏のリンゴ園は何故そのようなことになったのか。某氏は警察OBで、退職したらリンゴ農園に手を入れるとの約束をしていたにも拘わらず、退職後も「天下り」の職を得て自らのリンゴ農園を放置し約束を反故にしたのみならず、自らのリンゴ園の耕作を専業リンゴ農家に委ねるという対応もせず、リンゴ園を荒れるに任せて、専業で頑張っている他のリンゴ農家に大迷惑をかけている。某氏の得る「天下り」の職による収入は、専業リンゴ農家が丹精込めて収穫しているリンゴによる所得に匹敵するとのことだ。

 したがって、ここで、某氏がリンゴ農園の管理を放棄したのは、安易に公務員OBに天下りを斡旋する慣行が悪いとの理屈が出てくる。さしたる苦労もなしに安定した収入を得られる身分を退職後の公務員に与えているシステムが結果として地場農業をダメにしているとの諸論である。特に、公務員という地域社会に奉仕すべき立場にあったものが地域農業の危機の原因になっているのは許せないというのだ。この現実は説得力がある。

 以上のような理由で公務員の天下り批判が地域社会で増幅されている。天下り批判は何も霞が関に限るものではない。地域社会の至る所で公務員に対する地域の眼差しは厳しくなっている。我々はこうした世間の見方を十二分に意識していかなくてはならない。
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