むたい俊介
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長野2区 自民党

【メッセージ】
「親の負担から見る大学の地方分散と地域再生」
〜壮大な規模で行われてきた地方から都会への仕送り〜

 大学のゼミで、学生生活にかかる経費と親の負担について学生にレポートをしてもらい、皆で議論を行った。

 全国的な調査と自らの大学の個別の調査、日本の公的教育費支出と私的負担、諸外国の教育費の実態などについて様々な観点に立った分析を学生は行ってくれた。

 大学生の授業料、生活費について、親が負担するのが当たり前だと思っているのが日本の大学生。それに対して、欧米の学生は多くは、親ではなく自己負担が当たり前だと考え、実際にそのように学生自身が負担を行っている。そしてそれを担保するための奨学金制度が欧米では充実しており、学生が勉学に集中できるシステムが充実している。

 日本の場合は、授業料などは親が負担するのが一般的であるが、生活費を満額親が負担しきれず学生もアルバイトをしているのが実態である。日本学生支援機構の貸付奨学金制度を活用している者も多い。

 私学に通う下宿学生の場合、4年間で1,000万円の経費がかかっている実態調査の結果が発表された。国立大学の下宿学生では760万円、私学の自宅通い学生では680万円、国立大学の自宅通い学生では440万円という順番で経費は逓減するが、それでも大きな負担であることは否めない。

 子供を都会の大学に出すために、地方に住む田舎の親はなけなしの資金をはたいて都会に出た子供に仕送りを行う、という図式が我が国の現状である。発表を聞いた学生は、例外なく、「親に感謝しなければならない」との感想を持った。

 さて、感謝の気持ちは別として、ただでさえ、地方における資金循環が悪い中で、本来ならば地方で循環すべき資金が、子供に対する親の仕送りという形で、壮大な規模で地方から都会に資金が吸い寄せられるのである。

 私の居住する長野県では、子供が高校を出て大学に進学する時点で、大学進学者の85%もの若者が県外に出てゆく。それを親が巨額の資金の仕送りで支える。これでは、長野県内に資金が回らないで、景気が低迷するのはあたりまえである。

 85%もの大学進学者が県外に出てゆくということは異常である。国際教養大学の中嶋嶺雄学長も、それぞれの地元に質の高い大学研究機関を設置することで地域社会に若者を留め、地域社会を元気にすることが出来ると主張しておられる。地元の子供たちが地元の大学に進学できれば親の負担は少なくなり、県外に流出していた資金も県内を循環する。

 若者の都会に出てみたいと気持ちは無理からぬ気持ちであろう。私もそうであった。しかし、その点については、大学間連携システムを構築することにより、都会の大学の授業を地方の大学の学生が受講できる仕組みも十分に可能である。短期滞在の寄宿舎を互いに整備するなどして、講座の共有を進めれば、何も無理をして都会の大学で4年間に1000万円を使うといった無理をしなくても済むこととなる。

 子供の大学生活を支える負担の大きさに思いを馳せる中で、地域再生のヒントの1つは、大学の地方分散にある、と改めて強く意識した次第である。

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