むたい俊介
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長野2区 自民党
【メッセージ】
「緩慢な危機と突発的危機の同時進行の時代」
〜それに備えた制度の張り替えが急務〜
少子・高齢化の進行が進んでいる。人口ピラミッドの経年変化を見ると、昭和初期に二等辺三角形であった我が国の人口ピラミッドは「ぼってり型」、「逆三角形」になってきている。働く世代人口よりも支えられる世代人口が増え、更に子供が激減する世の中は将来の支え手も心許ない。
一方で、働き手が多く老人が少なかった時代に作られた年金・医療を中心とする社会保障制度は、40年前に3・5兆円であったものが2010年には既にその給付総額が100兆円を超え、今後その急速な増加が見込まれている。
人口動態の変化、少子高齢化の進展は、天変地異や戦争と並び、社会システムを根本的に変革する最も大きな要因である。天変地異が「突発的危機」であるのに対し、少子高齢化の進展は「緩慢な危機」であるために、その進展に対応する制度改革のタイミングを見失うケースが多い。社会保障制度の見直しがなかなか進まないことはその代表例である。
2011年から団塊の世代が年金受給年齢である65歳になってくる。このことは、年金、医療、介護給付が急速に拡大することを意味する。今後の30-40年を如何に乗り切るかが、今後の我が国の最大の政策チャレンジのはずである。しかしながら、人口動態に併せた社会システムを作る、これこそが政治が性根を据えて取り組まなければならない課題であるにも拘らず、その骨太議論が進まない。
痛みを伴う大きな課題に取り組む姿勢が政治の本来の姿勢であるべきにもかかわらず、現実に繰り返してきたのは国民に耳触りのよい言葉ばかりを発するのが現実の政治の姿である。2009年の衆議院選挙の民主党のマニフェストは、さながら「公費による選挙買収」であった。民主党はあり得ない架空の財源が16.8兆円あると喧伝し、「こども手当」、「農家の戸別所得補償」、「高速道路無料化」、「高校授業料無料化」などの個人給付的バラマキ施策を新たな国民負担なしに実施すると約束した。あの時の投票所前の前代未聞の光景が忘れられない。子供を連れた母親たちが投票所に列をなしたのである。
政権交代後2年経過した時点のマニフェストの結果は惨憺たるものである。政権交代の正統性は崩れ、進めなければならない社会保障制度改革は全く手つかずである。不幸なことに、行うべき仕事を進められないにも拘らず、政権交代により権力を手にした民主党は政権だけは手放そうとはしない。
この間、「緩慢な危機」は更に進行する。緩慢な危機に対処する対応が遅れれば遅れるほど、将来の制度破たんの危機は大きくなる。ギリシャ危機は対岸の火事ではない。国民も政治家も、日本社会が抱える現実と将来予測から目をそむけずにこれを直視しなければならない。
往々にして厳しい状況は重なるものである。今世紀前半は、この緩慢な危機の進行と並行し、突発的危機の発生が確実視されている。戦後の高度成長を支えた要因には豊富な若年労働力供給などのいくつかの要素があるとされているが、実は阪神大震災までの戦後50年間は日本の歴史上まれにみる大地震の静穏期にあったとされる。その間、我が国は大災害に見舞われることなく高度成長を謳歌した。阪神大震災以降、この大地震の静穏期が終わり、21世紀前半は地震の活性期に入ったとされる。東日本大震災はその一つの端緒に過ぎず、今後は、首都直下地震、東海・東南海・南海地震の3連動地震などの巨大災害が我が国を襲うことが確実視されている。これらの巨大災害による想定被害は、東日本大震災のそれを大きく上回ると見込まれている。
21世紀前半は、少子高齢化という緩慢な危機が巨大災害の逐次発生という突発的危機の可能性と同時並行で進行していると想定しなければならない。我々は社会の根幹を揺るがすこの2大危機を正面から受け止め、危機が顕在化する前に骨太の対応策を打ち、その影響を最小限に緩和する努力をしなくてはならない。
歴史は繰り返す。西暦869年の貞観津波地震が起きた平安時代と1707年の宝永地震が起きた江戸時代には、これらの巨大地震と相前後して富士山までもが大噴火している。各地での天変地異も相次ぎ、平安のその時代は公家が衰え浄土思想が流布した。
過去の日本人がそれぞれの時代をどのように考え、生き抜いて来たのかといった歴史を学びながら、我々現代の日本人はこれからの大きな危機に耐えうる骨太の社会制度を作り直さなくてはならない。その場合の政治の機能は極めて重要である。有権者はそういう目で政治家を選別していかなくてはならない。
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