むたい俊介
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長野2区 自民党

【メッセージ】
「地域再生の種は足もとに」
〜地域の歴史・文化・景観に自信を。その価値を高め日本を元気に〜

 生まれ育った故郷の長野県安曇野市に戻り、衆議院長野選挙区第二区の自民党支部長を拝命している。
 33年ぶりに戻った故郷は、精密機械を中心に世界に通用する技術を持つ企業も多く、独立心旺盛の経営者の話を聞くと元気が出る。しかし、その製造業を支えるソフト・ハードの基盤づくりは必ずしも万全ではない。水が澄み自然が豊かで、都会から移り住みたい希望が多い地域にも拘わらず、その企業家の皆さんの話では、その受け皿整備は十分ではないようだ。

 世界に冠たる景観と湧水の宝庫であるにも拘わらず、地域全体としてそれを大事にしていく戦略的対応は見えにくい。道路の沿道は、アルプスの雄大な景観や美しい田園風景には似つかわしくない不揃いな風情が結構目立つ。私が暮らした英国の農村は、果てしなく連なる生垣、草原が目に優しい。景観は地域社会の共有の財産であり、世代を超えて引き継ぐべき資産であるとのゆるぎない意志を感じる。
 それと比べると、我が故郷の景観は、古い歴史あるものをいとも簡単に葬り去り、今風で短期的に便利なものにとって代えてしまっている。本来は、木も家も敷地も誰かが一時的に預かっているに過ぎなく、我々はそのリレーのつなぎ手だと思う。しかし、日本ではよい景観はみんなの共有物でありそれを作り上げている様々な要素はみんなで守っていくという意識がどうも不足しているように思えてならない。歴史的景観を保持、復元は、ふるさとに対する愛着、文化に対する自信そのものでもある。

 一方で、1,500兆円の国民の貯蓄は、国内に投資されることは少なく、外国での投資資金に流れている。英国でも地域再生資金として日本の国民の貯蓄が活用されている。国民が汗水たらして稼いだ資金が、日本の地域を元気にするのではなく、外国を元気にするのに活用されているのが現実だ。日本人の貯蓄を日本を豊かで美しくする日本の内需充実に向ける必要がある。

 私は、日本の地域をより魅力あるものにし、環境に配慮し住みやすくする投資がその端緒として適切だと考える。たとえば、松本平には、古い屋敷林や民家が数多くある。そしてそれは大変な歴史文化遺産である。それに手を入れ、公が支援し民間資金を導入し、歴史資産、文化資産、観光資産として活用することを提案したい。それと併せ、地区の街路毎に、地域特性にあふれた生垣整備を奨励し、地球温暖化対策と景観整備をセットで実現することも提案したい。点ではなく、線や面として誇るべき地域資源は国の内外から多くの観光客を呼び寄せる。
 そしてそれを支える制度として、中古住宅市場の充実を提案したい。次世代の家族は手を加えた古い民家を廉価で確保でき、古い民家を持ちきれなくなった年配の方は資産を流動化し現金化することで老後の安心資金を確保できる。
 地域資源の活用という意味では、この地域に豊富な木材資源に着目できる。最近の超原油高で木材資源の活用という視点は外せない。日本の山林を荒廃させつつ外国から安い木材を重油の大量消費により輸入している日本のビジネスモデルは再考の時期を迎えている。現在、原油価格高騰で苦しんでいる日本ではあるが、対処療法に拘泥するのではなく、思い切って発想を転換し、原油が高くなればなるほど、日本国内の地場産業振興のチャンスが増えるものと考えていくべきではないか。「ピンチはチャンス」である。そのためには地域資源とその特性を最大限に引き出すやる気と支援体制が必要だ。

 そうして、こうした取り組みのためには都市と農村が一体感が不可欠だ。人間と同じで、体の一部に疾患があると全体が不調に陥る。農村と地方の疲弊は日本全体の活力を大きく損なっている。現在は都市と農村の間での共感の断絶が生じている。都市と農村の共感を培う仕組み、例えば都市の子供たちが農村で寄宿生活を経験する取り組みは、日本の都市と農村の将来の共感醸成にとって決定的に重要である。そうした取り組みが制度化されていくと、子供たちを受け入れ地域も活性化する。子供たちに来てもらうために、地域の伝統文化、自然景観の発掘、保全の動きは自ずから加速する。

 私は、現場の声を踏まえ、国政の場を通じて、こうした日本と地域を元気にするような制度構築に向けて汗を流したい。

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