「地域毎の政策課題定例勉強会を」

〜地域の課題を学び、解決策を見出すために〜

 私は、2008年に29年間勤めた霞が関を退職、2009年夏の政権交代選挙に出馬し8万票差をつけられダブルスコアーで惨敗、捲土重来を誓ってその後3年4カ月の政治活動を継続してきた。そして今回2.9万票差で前職に雪辱勝利を果たすことが出来た。ひっくり返した票差は何と11万票近大量の票になった。自分でもびっくりする大逆転劇であった。

 前回選挙で負けた直後は、その負け方が大きいこともあり数カ月間自民党の支部長からも外され、党本部からは次の選挙に耐えうるのかどうかという白洲の吟味を受けた。

 私としては、財源の裏打ちの全くない民主党のマニフェストは早晩破綻する、有権者がそれに落胆し政治に不信感を抱くに違いない、その場合の受け皿としてこの選挙区でも信念が固い候補を用意できなければこの地域は更に流動化する、その為には長い浪人生活になるかもしれないが辛抱強く政治活動を継続し次期を目指す、との気持ちを固めた。その結果、支部長に再任されることとなった。

 爾来、非常に広大(長野県第二選挙区よりも狭い都府県は7つある)な地元を歩き、市町村ごとの後援会を全地区設置し、ポスターも現職以上に設置し、街頭演説を毎日行い、ミニ集会・後援会を定期的に開催し、ホームページ上で毎日活動記録を更新し、毎週メルマガを発信し、ustreamを活用し動画で様々な方々との対談を放映し、Twitter、Facebookで多くの人との情報交換を試み、防災勉強会を都内・松本で定期的に開催し、大学のゼミ生を長野県内の中山間地、中心市街地に呼び、といった活動を積み重ねてきた。

 以上の活動とともに、各地域の後援会組織の皆様の辛抱強く温かいご支援と、事務所の2名の秘書の地道で献身的な動きにより、前回の選挙体制とは全く異なり、まだまだ改善の余地はあるものの重厚な人のつながりと組織体制を構築できるまでになった。

 そして、政治活動に入ってから足掛け5年間、前回の総選挙以後3年半の活動の成果が問われる機会が2012年12月16日に漸く訪れ、所期の目標を実現することが出来た。

 国政の政策課題は山積している。防衛安全保障問題、震災復興、経済対策、社会保障の将来像、財政問題、地方分権、防災・危機管理対策、エネルギー問題、農業問題、中山間地対策、更には憲法改正の可否に至るまで、骨太のテーマがごろごろと転がっている。

 これらの課題に対処すべく、民主党の掲げた「政治主導」は理念としては間違っていなかったと考えている。しかし、実はそれは当たり前のことだ。民主党はその「政治主導」を履き違えた。霞が関を排除して政治が事細かなことまで介入することが政治主導だと考え違いをした。そのために東日本大震災、領土問題をはじめとした重要な局面で、専門家の知恵を活かすという観点で手痛いミスを犯し、日本の国益を大きく損なう結果をもたらした。民主党という政党の政権担当能力の欠如を国民の前に曝け出す結果となった。それにも拘らず、一度手にした政権を手放したくないという「自己保存能力」だけは健在で、政権延命に向けての凄まじい意欲を燃やし続けてきた。その結果が、「近いうち解散」の約束が守られずに2012年の年末までもつれ込む事態をもたらした。

 選挙の結果は、民意が政権与党から離れた証左である。国民の前で、これ以上嘘をつき通せる事態ではなくなった。自己保存本能だけで何も決められず、何も実行できない政権が存在すること自体が国益に反することを国民が見抜いたのだ。

 野田政権も、これ以上約束違反の状態を継続し、更なる政治不信を自ら招くことは、政治の自殺行為になりかねないと考えたに違いない。それならば、ギリギリの段階ながらも、潔く国民の信を問うほかはない、と考えたに違いない。

 さすれば今回の総選挙の最大の争点は何であったのか。私には、それは、政権担当能力の有無、ではないだろうかと思えてならない。複雑な連立方程式にも喩えられる現在の国内外の環境の中で、国の舵取りを誤らずに社稷を維持発展できる政治勢力を生み出すことこそが、今や政治における最大の課題となった。

 そして、その際には、政治集団を構成する一人ひとりの国会議員の力量、見識、責任感こそが問われるべきであると考え、選挙戦ではそのことを訴えた。政治も所詮、人次第である。我が選挙区においても「人」の在り様を問い、「今こそ、選手交代!」を強く訴えた。幸いにも、そのことが実現した。

 着実に地域の課題を吸収し、解決策を探るために、地域毎の政策課題勉強会を定期的に開催していきたいと思っている。多くの自治体関係者、諸団体関係者が、地域の切実な課題が国政に反映されていないという焦燥感を覚えている。私の勉強会の提案は各方面に幅広く歓迎を受けているように感じられる。ここに、ひたむきに働き役に立つ国会議員としての責任を果たしていくことをお誓い申し上げる。


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